メジャー初優勝をかけた戦い!バーディもあればダブルボギーもある14番以降の5ホールが勝負
2017年6月18日(日)午後5:01
ジャスティン・トーマスが全米オープンの最多アンダーパーを更新する9アンダー「63」を記録するなど決勝ラウンドに入ってもスコアの伸ばし合いが続いている今年の全米オープン。世界ランキング上位3名が揃って予選落ちとビッグネームが姿を消す中、リーダーボード上位にはメジャー優勝経験のない選手が名を連ねた。
最終日はどんな戦いとなるのか?ゴルフネットワークで決勝ラウンドの後半パートの解説を担当する佐藤信人プロに優勝争いの展望を聞いた。
今年の全米オープンは例年と違ってバーディがよく出ています。その要因は3つあります。
・パー5が4つある(1992年以来となるパー72設定)
・通常は吹くはずの風が吹いていない
・連日夜に雨が降ったことでグリーンが柔らかい
全米オープン独特の我慢比べではないですが、首位と4打差に9人がひしめく大混戦で面白い展開です。また、上位陣の中にメジャー優勝経験者がいないのでサンデーバック9に入った時に「メジャーの重圧」から優勝争いに残っている選手のメンタルがどう動くのか楽しみです。
上位陣に共通していることは「フェアウェイキープ率」が圧倒的に高いことです。2日目まではポール・ケーシーやマーク・リーシュマンなどフェアウェイを外しながらもスコアを出している選手もいまいしたが、3日目のセッティングでは優勝争いから脱落していきました。松山選手も昨日は93%でフェウェイを外したのはわずかに1ホールでしたが3日目は64%(9/14)とラフにいく回数が多かったことがスコアに響いていると思います。そういう意味で最終日も先ずはフェアウェイキープが最低条件となります。
混戦を抜け出すにはグリーン上の勝負になるでしょう。ゲーム展開としては14番(パー5)と15番(パー4)あたりからスコアが動くでしょう。14番と15番はバーディもよく出ますが、ダブルボギーもあって怪我をしやすいホールです。1ホールで2打、3打ひっくり返る可能性もあります。16番から18番の上がり3ホールは全てフォローの風になるので17 番(パー4)は難しいですが、16番(パー3)と18番(パー5)はバーディを取れるチャンスがあります。マラソンのラストスパートと同じように14番以降でどれだけスコアを伸ばすことができるか、サンデーバック9で勝負が決まります。
松山選手が優勝するためにはビッグスコアが必要になりますが、天気も味方につける必要があります。松山選手の上には13人いるので、全員がスコアを崩して伸び悩むとは思えません。これまでのコースコンディションを見ると、最終日も上位陣は4アンダーくらいは出してくるでしょう。ただし、風が吹いてグリーンが固くなりコースの難易度が上がって全体的にオーバーパーが出るようなコンディションの中、63くらいのビッグスコアを出せばチャンスはあります。
全米オープンは毎年、何かしらのドラマがあります。何が起きるかわからないのがメジャーです。最終日の優勝争いが楽しみです。
全米オープンゴルフ選手権
最終日 6/18(日) 午後11:00~翌午前9:30(LIVE)
【解説】佐藤信人プロ、ツアープロコーチ内藤雄士
【現地ラウンド解説】プロキャディ杉澤伸章
※最大延長午前11:30まで