プロに転向したばかりのステイシー・ルイス（米）がノーボギーの完璧なゴルフでメジャートーナメントをリードした。

　第63回を迎えた全米女子オープンはミネソタ州エディナのインターラチェンCCを舞台に現地時間の28日、日没順延となった第2ラウンドの続きと第3ラウンドの競技を終了。第3ラウンドに6アンダー67と爆発した23歳のルイスが通算9アンダーとし、単独トップに躍り出た。

　1打差の単独2位にメジャー初制覇を目指すポーラ・クリーマー（米）が続き、通算7アンダー3位タイに43歳のベテラン、ヘレン・アルフレッドソン（スウェーデン）と19歳の新鋭インビー・パーク（韓）。さらに通算6アンダー5位にキム・インキョン、通算5アンダー6位に金美賢と韓国勢が並んでいる。

　一躍リーダーボードの最上段に立ったルイスはテキサスで開催された予選会をトップで通過し出場権をつかんだ伏兵。とはいっても実績は十分で、07年の大学選手権チャンピオン。同年9月にアーカンソーで行われた同ツアーの大会が天候不良で試合不成立だったときに、非公式ながらアマチュア優勝を飾った経験もある。

「正直、首位に立ってもあまり驚いてはいません。優勝争いをして、最終日にトップを狙える位置で戦う心の準備は常にしていますし、プロのレベルでも通用するだけの力はあると思っていますから」と自信たっぷりに語ったルイス。かつては脊柱側弯症という背骨が曲がる病を患い、手術を受け長い時間をかけて回復したという苦労人でもある。まだプロに転向したばかりでツアーカードさえ持っていないが、明日勝てば自動的にツアーフル参戦の資格が与えられる。大きな夢を抱く23歳が（プロ転向）最短でビッグタイトルに挑む。

　一方、日本勢は上田桃子が頑張っている。前日「明日は前半我慢して、イメージの良い後半爆発したい」と語っていたが、その言葉通りに前半は2ボギーの我慢のラウンド。しかし10番パー5でこの日1つ目のバーディを奪うと、後半はすべてのパー5でバーディを奪取する本来のゴルフを取り戻し、イーブンパー73でホールアウト。通算3アンダーはトーナメントリーダーと6打差の9位タイに踏ん張った。

　だが、第3ラウンドを上田と同組で回った宮里藍は、スタート直後の2番パー5でバーディを獲ったきり耐えるプレーが続いた。結局スコアを3つ落とすと通算イーブンパー20位タイに一歩後退。最終ラウンドはショットのバラツキを最少限に抑えることがテーマとなりそうだ。

　その他、横峯さくらは通算4オーバーで、ロレーナ・オチョア（メキシコ）と同じ43位タイ。吉田藍子と天沼知恵子は予選で姿を消している。