日本勢にとって、1977年の樋口久子以来31年ぶりのメジャー勝利が見えてきた。

　メジャー今季最終戦の全英リコー女子オープンは英国のサニングデールGCを舞台に現地時間の2日、第3ラウンドの競技を終了。前日トップタイの不動裕理が3アンダー69で回り、通算13アンダーで単独首位の座を守った。

　1打差の2位に韓国の若き賞金女王、申智愛（韓）が続き、この日4アンダー68の好スコアをマークした宮里藍が通算11アンダーで単独3位に浮上。通算10アンダー4位タイにメジャー最年長Vを狙うジュリー・インクスター（米）とクリスティー・カー（米）がつけている。

「今日は予選の2日間に比べて、プレッシャーを感じずにプレーすることが出来ました」と話すのは単独トップに立った不動。「ドライバーは多少左右にブレた」と言うが、アイアンショットが冴え、5バーディ（2ボギー）を奪って、最終ホールでスコアを落とした申に1打差をつけた。

　記者会見では不動に関して予備知識のない地元のマスコミが、さまざまなことを聞き出そうと必死。しかし、本人は「キャディ（イギリス人のピーター・コールマン）は日本語ぺらぺらですよ！　というのはジョークですが（笑）」と笑わせてみたり、日本で一番有名なゴルファーを「中村寅吉」と言ってみたり、つかみ所のないひょうひょうとした態度でけむに巻いた。だが、もし優勝すれば知名度はぐっと上がる。第3ラウンドと同じようにノープレッシャーで無欲のゴルフを貫けば、メジャー勝利も夢ではない。

　一方、4年前に無念の予選落ちを喫したサニングデールGCでの再チャレンジで、優勝争いを演じている宮里は、女王ロレーナ・オチョア（メキシコ）との同組対決にもハツラツとしたプレーで5バーディ、1ボギーの4アンダー68でホールアウト。1つしかスコアを伸ばせず、10位タイ（通算8アンダー）に順位を下げたオチョアのお株を奪うゴルフで「楽しめました。1ラウンドを通して高い集中力を維持できた」と日々のノルマ4アンダーをクリアし、満足げな表情。米ツアー、そしてメジャー悲願の初優勝に向け、最終日はプレッシャ?がかかるが、スランプを克服した強い精神力で自分の世界にどっぷりと漬かるしかない。

　その他、2アンダー70で回った上田桃子は通算8アンダー10位タイ。最終日はオチョアとの同組対決が実現する。また、前日まで低迷していた横峯さくらはようやく60台（69）のスコアが出て通算4アンダーとし、46位タイから26位タイへジャンプアップ。今大会がメジャー最後の勇姿となるアニカ・ソレンスタム（スウェーデン）は通算2アンダー38位タイにとどまっている。