ゴルフの聖地、セントアンドリュース・オールドC（スコットランド）が初めて舞台となった全英リコー女子オープン。2007年最後のメジャーは、世界ランクNo.1のロレーナ・オチョア（メキシコ）が第1ラウンドから飛び出した。

　オチョアは6バーディ、ノーボギーの67で回り、初のメジャータイトルに向けてアドバンテージを取った。強風が吹き荒れた第3ラウンドもパープレーで乗り切り、2位に6打差の通算6アンダー。ただ一人アンダーパーで最終ラウンドに突入した。

　だが、これまで何度も優勝を目の前にして悔しい思いをしてきたメジャーの舞台。その悔しさは想像に難くないだけに忍耐強いプレーが続いた。オチョアは最終ラウンドの16番まで通算6アンダー。2位と5打差で迎えた17番は、右側にあるホテルの敷地を越えてティーショットを打っていくのが近道の名物パー5だ。

　ホテルの敷地内はOBとなっており、男子の全英オープンでも、ここで泣いた選手は数え切れない。それだけにオチョアはセーフティーにティーショットを左へ。ラフからの2打目がポットバンカーに捕まり、グリーン方向には垂直の壁が立ちはだかっているため、左へ出すしかない。

　ところが、この3打目が深いラフ。大ピンチだったが、さすがに世界一の女は落ち着いていた。しっかりとピンの横5メートルに乗せて2パットのボギー。最終18番もパーで切り抜け、通算5アンダーでうれしいメジャー初優勝だ。

　50センチのパーパットを沈めた時には、オチョアは一瞬感無量の表情を見せたが、すぐにガッツポーズ。シャンパンを持ってきた父と抱き合うと、ツアー仲間の祝福に笑顔が弾けた。ようやく手にしたメジャー初優勝が聖地での全英リコー女子オープンと、最高の結果となった。

　なお、この結果今季のメジャーは4大会ともメジャー初優勝の選手が栄冠を手にした。日本勢は大会初出場の女子大生プロ、佐伯三貴が通算2オーバー7位タイと大健闘。不動裕理も通算3オーバー11位タイとまずまずの成績を残した。