ウイニングパットがカップに消えて行くのを、米女子ツアー14年目のリタ・リンドレイ（米）が、信じられないという表情で見つめた。初優勝が決まった瞬間だ。

　同ツアーのLPGAコーニング・クラシック最終ラウンド（現地時間25日、ニューヨーク州コーニング、コーニングCC）は、エリカ・ブラスバーグ（米）と共に通算7アンダー首位タイでスタートしたジョン・ジャン（韓）が2、4番バーディの後、5番でイーグルを奪取。通算11アンダーとしてトーナメントを引っ張った。だが、9番のボギーでスコアを落とした後は、なかなかバーディが獲れない。

　ジャンが我慢のゴルフを強いられている間に、1打差の通算6アンダーから1組前でプレーしていたリンドレイが猛チャージをかけた。通算7アンダーで前半を折り返すと、10番から怒涛の3連続バーディ。さらに17番もバーディとし、5アンダー67で回り、通算11アンダーで先にホールアウトした。16番でようやくバーディを奪ったジャンと並び、プレーオフに突入。

　18番パー4で行われたプレーオフは、ジャンがティーショットを左のラフに打ち込み、第2打もバンカーへ。しかし、そこからしっかりと寄せてパーをセーブした。対するリンドレイは、ティーショットをフェアウェイに運ぶと、第2打もバーディチャンス。見事にこのパットを沈めて、ツアー295試合目でうれしい初優勝を飾った。

　97年、メジャーのマクドナルドLPGA選手権でクリスタ・ジョンソン（米）にプレーオフで敗れ、ビッグチャンスを逃したリンドレイは、その前年に結婚したマット・プラグマン氏との間に一男一女をもうけたママさんプレーヤー。産休以外はコツコツとゴルフを続け、今大会ではプラグナン氏がキャディを務め、幼い子供たちがテレビで見守る中でのうれしい勝利に「信じられない。この日のことは永遠に夢に出るでしょう」と感無量だった。

　プレーオフに1打足りない3位タイに、この日6アンダー66で回った金美賢（韓）とヨー・スヨン（韓）。今季2勝のポーラ・クリーマー（米）が通算4アンダー15位タイ。首位タイで出たブラスバーグは、7オーバー79の大叩きを演じて、通算イーブンパー37位タイで大会を終えている。尚、日本勢は出場していない。