アニカ・ソレンスタム（スウェーデン）が、11個目のタイトルでメジャートーナメントを締めくくろうとしている。

　今季最後のメジャー、米女子ツアーの全英リコー女子オープンは現地時間31日、英国のサニングデールGCで開幕。今季限りでの現役引退を宣言しているアニカにとって、57試合目のメジャー出場であると同時に、最後の大舞台となる。

「感傷的で、タフな“グッバイ”の1週間になるでしょう。毎週のトーナメントでも、コースを去るときにはフェアウェイを振り返ってきたのですから」と、珍しく感情をあらわにしたアニカ。そして、すぐにこう続けた。「けれども私は決断したのです。新しい生活を楽しみにしています。だけど、今は競技キャリアを良い成績で終えることに集中しています」。最後の最後で優勝宣言が飛び出した。まだまだ今年いっぱいは、誰にも第一人者の座を譲る気持ちはないようだ。

　そのアニカの最後のメジャーを彩るのが、予選ラウンドで一緒にプレーするカリー・ウェブ（豪）と上田桃子。同世代で女王の座を奪い合ったライバルのウェブとは、過去に何度も優勝争いを演じてきた。手の内を知り尽くしており、対抗心むき出しになるのは間違いない。さらにルーキーながら気の強い上田は、その戦いに参加することで持てる力を倍増させるに違いないだけに、こちらも楽しみになってくる。

　もちろん、現女王のロレーナ・オチョア（メキシコ）も、ディフェンディング・チャンピオンとして負けてはいられない。初めてのメジャー優勝となった今大会には思い入れが深いだけではない。「No.1の座を奪い返して引退したい」と言っているアニカを抑えることが、逆に後輩として最高のはなむけとなることを知っているからだ。

　アニカと同郷のスウェーデンの先輩で、前週のエビアン・マスターズで復活優勝したばかりのヘレン・アルフレッドソン、次世代を担うポーラ・クリーマー（米）、モーガン・プレセル（米）。さらに強さを増している韓国勢も含めた誰もが、今季最後のメジャーというだけでなく、アニカの最後のメジャーであることを意識して戦いに挑むだけに、激戦となるのは避けられそうにない。

　一方、日本勢は国内女子ツアーで6年連続賞金女王を経験している不動裕理が、オチョア、プレセルと同組でプレー。他に、米女子ツアー3年目で好調な宮里藍、横峯さくら、佐伯三貴、馬場ゆかりが参戦。いずれもビッグタイトルを目指す。