ポーラ・クリーマー（米）が夢の50台にあと一歩と迫った。

　現地時間10日に開幕した米女子ツアーのジェイミー・ファー・オーウェンズ・コーニング・クラシック（オハイオ州シルバニア、ハイランドメドーズGC）第1ラウンドは、夕方になり雷雲が迫ったため午後6時20分に中断、そのままサスペンデッドとなった。そんな中、クリーマーが強烈なバーディラッシュで周囲を驚かせた。

　この日10番からスタートしたクリーマーは、まず出だしのホールでバーディを奪うと、前半4つスコアを伸ばし、快調なペースで飛ばしていた。だが本当の猛攻が始まったのはハーフターンを終えてから。1番から3連続バーディを奪うと、パー34の9ホールで7バーディ、ノーボギーの7アンダーをマーク。9ホールのツアー最少記録に並ぶ『27』で、一気にスコアをコースレコードの11アンダー60まで伸ばし、暫定ながらトーナメントをリードした。

「実はこのコースがパー71だって、ラウンド中は気付いていなかったんです。あと1つ伸ばしていれば『59』。終わってからキャディと2人で“なんで気付かなかったんだろう。59が狙えてたのに”と話しましたけど、でも自分ではまさか60を出したなんて本当に気付かなかったんですよ。最後にキミー（金美賢）に“すごい！”と言われてカードを見たら60だった、という感じ」と無欲の好プレーを強調。ゴルフに“たられば”は禁物だが、もし6番で約4.5メートルのバーディパットを沈めていれば、夢の『59』が実現したかもしれなかった。

　ちなみにツアーでこれまで50台をマークしているのは01年のスタンダード・レジスター・ピンでアニカ・ソレンスタム（スウェーデン）が59で回っているだけ。

　その他上位は5打差の暫定2位タイにグロリア朴（韓）と池恩熹（韓）の2人がつけ、ディフェンディング・チャンピオンで、ハイランドメドーズGCのコースレコード（61）保持者だった朴セリ（韓）は3アンダー68で暫定9位タイからスタートすると「記録は破るためにある」と自身の記録を塗り替えたクリーマーに敬意を表した。

　またプロデビュー3試合目のステイシー・ルイス（米）はミッシェル・ウィー（米）、カリー・ウェブ（豪）らと並び、1アンダー70で暫定32位タイ発進。日本勢唯一出場の上田桃子は持ち前の攻めのゴルフで6つのバーディを量産したが、ボギーを3つ叩き、3アンダー68。しかし順位的には暫定9位タイとまずまずの滑り出しだった。なお宮里藍は今大会に出場していない。