今週、現役引退を表明したアニカ・ソレンスタム（スウェーデン）が2週連続優勝に向け、首位タイの好スタートを切った。

　米女子ツアーのサイベース・クラシック（ニュージャージー州クリフトン、アッパー・モントクレアCC）が現地時間15日に開幕。今週はゴルフ史にその名を刻んだ元女王アニカが引退を表明し、その話題で持ち切りだが「引退宣言をして気持ち的にスッキリした」と言うアニカがノーボギーの5アンダー67をマーク。キム・ソンヒ（韓）、レイチェル・ヘザリントン（豪）と並んで首位グループの一角を担った。

　1打差の4位タイに連覇を狙うロレーナ・オチョア（メキシコ）、テレサ・ルー（台）、ブリタニー・ラング（米）、パット・ハースト（米）らが続き、この日5バーディ、2ボギーの3アンダー69で回った宮里藍が10位タイとまずまずの滑り出しを見せている。

「引退の時期や今後のことについてのさまざまな憶測に、もう煩わされなくていい。心が平和になりました。いいプレーをしなければいけないというプレッシャーからも解放されて、自分のゴルフを楽しむことができるようになりました」とアニカ。引退宣言では、これまで見せたことのないような柔和な笑顔だったが、重圧から解放され「自分のゴルフだけに集中する」という、もっとも重要なことを実践できる心理状態になれたのだとか。「ギャラリーに“辞めないで”とか“もっとあなたのゴルフが見たい”と言ってもらえるのは、すごくうれしい。この調子でいいプレーを続けたい」と言うアニカは、ピーク時を思わせるような快調なゴルフで今季4勝目に照準を合わせた。

　そんなアニカに憧れ、米ツアー挑戦を決意したという経緯を持つ宮里は、「アニカと同じ時代にゴルフができた幸せ」を噛み締めながら大会に挑み、アニカに2打差の10位タイと好スタートを切ることが出来た。グリーンを外したのはわずか2ホールと、ショットは冴えたが、18ホールのパット数が『32』と改善の余地が見られる。調子の上がっているショットにパットが噛み合えば、爆発の予感も漂い始めた。

　もう1人、2週連続予選落ちの雪辱を期す上田桃子は、この日もエンジンがかからず1バーディ、2ボギーの1オーバー73で64位タイと出遅れた。こちらもショットはまずまずなのにパットが入らず、グリーン上で苦戦したことが1バーディの低調なゴルフにつながった。