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国内大会とちょっと違う?PGAツアーが横浜カントリークラブに施したアレンジとは
2025年10月7日(火)午前11:39

10月9日、アジアで唯一のPGAツアー公式戦「Baycurrent Classic Presented by LEXUS(ベイカレントクラシック Presented by レクサス)」がいよいよ開幕します。
舞台は、昨年まで「ZOZOチャンピオンシップ」が行われていた千葉・習志野カントリークラブから、神奈川・横浜カントリークラブへ。過去「日本オープン」(1978・2018年)や「日本女子オープン」(2012年)、そして国内男子ツアー「横浜ミナトチャンピオンシップ」(2023・2024年)など、多くのトーナメントを開催してきた国内屈指の名門コースです。
開幕の1か月前、9月9日にはPGAツアー主催のメディアデーが開催されました。今回特別に大会と同じルーティングでプレーする機会をいただいたので、コースがどのようになっているかをレポートしたいと思います。
横浜CCは1960年に開場し、2014〜16年に世界的コース設計家ビル・クーアとメジャー2勝のベン・クレンショーによる「クーア&クレンショー」がリノベーションを手がけ、クラシックな造形を残しながらもモダンな戦略性を備えたコースへと生まれ変わりました。今回のトーナメントでは、西コース16ホールと東コース2ホールを組み合わせたトーナメント専用のコンポジットルーティングが採用されます。
ホール設定はアウト36・イン35のパー71、トータル7,315ヤードのセッティングで、パー5はアウトに2ホールのみ、パー3はアウトに2つ、インに1つとなっています。全体的にフェアウェイは広いもののアンジュレーションが強く、落としどころ次第で攻め方が変わります。池などのペナルティエリアは少ないため、ロースコアの戦いが予想されます。
ラフの長さは9月時点でおよそ5〜10cmほど。ZOZOチャンピオンシップでの習志野CCと同じような見た目で、フライヤーするかどうかという微妙な長さです。ただし、大きく曲げてしまうとブッシュやウェイストエリアが待ち構えており、リカバリーは簡単ではありません。
グリーンは起伏が大きく、また細かな傾斜もありかなり複雑です。ハウスキャディさんでも読み切るのは難しいそうで、PGAツアー仕様の固さとスピードに仕上がったら、パッティングが鍵を握る展開になりそうです。

シグネーチャーホールとなる横浜CC16番パー3(一般営業時は西コース9番)
今回のベイカレントクラシックと日本オープンや横浜ミナトチャンピオンシップとの大きな違いは、フィニッシングホールの構成です。全体の使用ホール自体は同じですが、国内ツアーでは10・11番として使われていた東コースの2ホールが、PGAツアーでは17・18番に設定されています。言い方を変えると、これまで18番だった西コース9番(パー3)は16番となりました。
この変更についてPGAツアーは、西コース9番が横浜CCの象徴的ホールであることを尊重し大会のシグネチャーホールと設定しつつも、終盤にスコアが動く展開を意図してルーティングを組み替えたと説明しています。
新たな最終ホールとなる東コース18番パー4(一般営業時はパー5)は、ティーショットがランディングするあたりの右サイドにペナルティアリアの池が控えています。通常時であればそれほど問題ないと思いますが、勝負どころでこのホールを迎える選手たちには効いてくるかもしれません。そしてセカンド地点からはグリーン面が見えないほどの強烈な上り傾斜となっているため、高い弾道でないとグリーンを捉えることは難しくなります。
しかしこのルーティング変更には、プレーヤー動線の整備が必要です。西コース9番から東コース17番までは約300〜400メートルほど離れており、選手やキャディをカートで送迎するそうです。こうしたオペレーションは、今大会が78名という少人数のフィールドだからこそ実現できたのかもしれません。そういう意味では、西9番をフィニッシングホールに設定する国内ツアーのルーティングも、スムースな進行が求められるトーナメント運営としては正解なのですが、PGAツアーの発想の柔軟さとエンタテインメントに徹する姿勢がうかがえました。
またPGAツアーは、大会開催にあたって横浜CCおよびクーア&クレンショーと連携して一部コース改修を実施しています。15番パー4のランディングエリアにポットバンカーを新設したほか、選手やギャラリーの導線整備やホスピタリティエリアの設置のための改修を行い、大会終了後にも追加改修を予定しているとのことです。現時点(10月7日)で来季スケジュールは公式に発表されていませんが、2026年以降も横浜CCでのPGAツアー開催を示唆しています。
こうして世界基準のコースセッティングとして舞台が出来上がった横浜CC。出場する日本人選手の多くは、ルーティングが異なるとはいえ、過去に日本オープンや横浜ミナトチャンピオンシップといった真剣勝負の場としてラウンドしたことがあるのは大きなアドバンテージになるはず。国際的な港湾都市である横浜から、PGAツアーという大海原に旅立つ選手たちがたくさん生まれることを期待しましょう。
舞台は、昨年まで「ZOZOチャンピオンシップ」が行われていた千葉・習志野カントリークラブから、神奈川・横浜カントリークラブへ。過去「日本オープン」(1978・2018年)や「日本女子オープン」(2012年)、そして国内男子ツアー「横浜ミナトチャンピオンシップ」(2023・2024年)など、多くのトーナメントを開催してきた国内屈指の名門コースです。
開幕の1か月前、9月9日にはPGAツアー主催のメディアデーが開催されました。今回特別に大会と同じルーティングでプレーする機会をいただいたので、コースがどのようになっているかをレポートしたいと思います。
歴史とリノベーションで築いた世界基準のセッティング
横浜CCは1960年に開場し、2014〜16年に世界的コース設計家ビル・クーアとメジャー2勝のベン・クレンショーによる「クーア&クレンショー」がリノベーションを手がけ、クラシックな造形を残しながらもモダンな戦略性を備えたコースへと生まれ変わりました。今回のトーナメントでは、西コース16ホールと東コース2ホールを組み合わせたトーナメント専用のコンポジットルーティングが採用されます。
ホール設定はアウト36・イン35のパー71、トータル7,315ヤードのセッティングで、パー5はアウトに2ホールのみ、パー3はアウトに2つ、インに1つとなっています。全体的にフェアウェイは広いもののアンジュレーションが強く、落としどころ次第で攻め方が変わります。池などのペナルティエリアは少ないため、ロースコアの戦いが予想されます。
ラフの長さは9月時点でおよそ5〜10cmほど。ZOZOチャンピオンシップでの習志野CCと同じような見た目で、フライヤーするかどうかという微妙な長さです。ただし、大きく曲げてしまうとブッシュやウェイストエリアが待ち構えており、リカバリーは簡単ではありません。
グリーンは起伏が大きく、また細かな傾斜もありかなり複雑です。ハウスキャディさんでも読み切るのは難しいそうで、PGAツアー仕様の固さとスピードに仕上がったら、パッティングが鍵を握る展開になりそうです。
国内大会からあがり2ホールが変更されたルーティング

シグネーチャーホールとなる横浜CC16番パー3(一般営業時は西コース9番)
今回のベイカレントクラシックと日本オープンや横浜ミナトチャンピオンシップとの大きな違いは、フィニッシングホールの構成です。全体の使用ホール自体は同じですが、国内ツアーでは10・11番として使われていた東コースの2ホールが、PGAツアーでは17・18番に設定されています。言い方を変えると、これまで18番だった西コース9番(パー3)は16番となりました。
この変更についてPGAツアーは、西コース9番が横浜CCの象徴的ホールであることを尊重し大会のシグネチャーホールと設定しつつも、終盤にスコアが動く展開を意図してルーティングを組み替えたと説明しています。
新たな最終ホールとなる東コース18番パー4(一般営業時はパー5)は、ティーショットがランディングするあたりの右サイドにペナルティアリアの池が控えています。通常時であればそれほど問題ないと思いますが、勝負どころでこのホールを迎える選手たちには効いてくるかもしれません。そしてセカンド地点からはグリーン面が見えないほどの強烈な上り傾斜となっているため、高い弾道でないとグリーンを捉えることは難しくなります。
しかしこのルーティング変更には、プレーヤー動線の整備が必要です。西コース9番から東コース17番までは約300〜400メートルほど離れており、選手やキャディをカートで送迎するそうです。こうしたオペレーションは、今大会が78名という少人数のフィールドだからこそ実現できたのかもしれません。そういう意味では、西9番をフィニッシングホールに設定する国内ツアーのルーティングも、スムースな進行が求められるトーナメント運営としては正解なのですが、PGAツアーの発想の柔軟さとエンタテインメントに徹する姿勢がうかがえました。
またPGAツアーは、大会開催にあたって横浜CCおよびクーア&クレンショーと連携して一部コース改修を実施しています。15番パー4のランディングエリアにポットバンカーを新設したほか、選手やギャラリーの導線整備やホスピタリティエリアの設置のための改修を行い、大会終了後にも追加改修を予定しているとのことです。現時点(10月7日)で来季スケジュールは公式に発表されていませんが、2026年以降も横浜CCでのPGAツアー開催を示唆しています。
こうして世界基準のコースセッティングとして舞台が出来上がった横浜CC。出場する日本人選手の多くは、ルーティングが異なるとはいえ、過去に日本オープンや横浜ミナトチャンピオンシップといった真剣勝負の場としてラウンドしたことがあるのは大きなアドバンテージになるはず。国際的な港湾都市である横浜から、PGAツアーという大海原に旅立つ選手たちがたくさん生まれることを期待しましょう。
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2025 Baycurrent Classic Presented by LEXUS(ベイカレントクラシック Presented by レクサス)
10月9日(木)~10月12日(日)