海外女子メジャー今季最終戦のAIG女子オープンは2日、ウェールズのロイヤルポースカールゴルフクラブ（6,580ヤード・パー72）で第3ラウンドが終了。ここまでトーナメントを引っ張ってきた山下美夢有と竹田麗央が失速し、優勝争いは一気に混沌としてきた。

　3打差単独首位から決勝ラウンドをスタートした山下だが、24歳の誕生日だったムービングデーはティーショットの精度を欠き、グリーン上でも苦しんだ。5番パー3でボギーが先行すると、後半10番パー4でもボギー。直後の11番パー4、12番パー3の連続バーディで悪い流れを断ち切ったかに見えたが、14番、16番のパー4で再びスコアを落とす。

　17番パー4のピンチは12メートル超のロングパットを沈めてパーで凌いだ一方、18番パー5では2メートル弱の短いバーディバットを外してパーとし、トータル2バーディ、4ボギーの「74」。「今日うまくいったこと、うまくいかなかったことをしっかり振り返って、明日に向けて改善したい」と後続に1打差の通算9アンダー単独首位で最終日を迎える。

　その山下を猛追したのがキム・アリム（韓）だ。8打差の7位タイからノーボギーの「67」を叩き出し、通算8アンダー単独2位。「正直、トップのことは考えていませんでした。まずは自分のプロセスとショットに集中していました」と冷静に振り返り、残り18ホールは2020年全米女子オープンゴルフ選手権以来のメジャータイトルをかけて山下と同組で回る。

　アンドレア・リー（米）が通算7アンダー単独3位。9打差の10位タイから4連続を含む7バーディ、2ボギーの「67」を記録し、「トップに立っている選手には多少なりともプレッシャーがかかるはず。明日は何でも起こり得るタフな一日になるでしょう。5打差以内なら誰にでもチャンスがあると思います」とコメント。最終日は2打差を追いかける。

　さらにトップから3打差の位置には4人がひしめく。勝みなみが35位タイから1イーグル、7バーディ、2ボギーの「65」でリーダーボードを駆け上がった一方、竹田は単独2位の好位置から3バーディ、5ボギーの「74」と苦戦。「66」のチャーリー・ハル（英）、「68」のメーガン・カン（米）と通算6アンダー4位タイで並んだ。

　日本ツアーの歴代年間女王である山下と竹田が勢いを失い、混戦の様相を呈してきた今年のAIG女子オープン。3打差以内の7人でメジャーでの優勝経験があるのはキム・アリムただひとり。ファイナルラウンドは誰が一番の輝きを放つのか。日本勢から新たなメジャーチャンピオンが誕生する“最高のフィナーレ”を期待したい。

（写真：Getty Images）