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「フォアサムの怖さ、流れを感じた」プロゴルファータケ小山がみたプレジデンツカップ2日目
2019年12月13日(金)午後6:58
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2年に1度開催される米国選抜と世界選抜の対抗戦「ザ・プレジデンツカップ」。2日目のフォアサム5マッチは、序盤は米国選抜がリード、中盤は世界選抜が大きくリードしましたが、終盤米国選抜も巻き返し、両者2勝2敗1分けのイーブンという結果で終わりました。同大会を中継するCS放送ゴルフネットワークでゲスト解説を務めたプロゴルファーのタケ小山プロに、2日目についてのお話を伺いました。
途中はインターナショナルチーム(世界選抜)がかなり押している状態でしたが、終わってみたら2日目は両者2.5ポイントずつのイーブンという結果でした。まさにフォアサムの怖さ、流れを感じましたね。
ゴルフは「自分で打っていく」という流れが普通のなか、フォアサムでは予期せぬシュチュエーションで打順を渡されるわけです。自分で打ってミスしたのなら、覚悟してセカンドを打ちますが、そういう「自己責任」のボールじゃないんですよね。相手が打ったボールがラフにいって、現場について、「なんだよ、このライから打つのか」というネガティブな気持ちになってしまうと、今度は自分が「相手にこのシチュエーションで渡してはいけない」と思ってしまうわけです。相手に良くない場面を与えちゃいけないというプレッシャーは、普通のゲームにはないですよね。
「変な優しさ」があるとそれが負の連鎖になってしまい、いつもどおりのプレーができなくなってしまいます。このフィールドにはトップオブトップの選手たちが集まっているわけですが、強者の米国選抜の選手たちでさえも、そういうことでかみ合わせが悪くなってしまうわけです。それでも、最後にはタイガーとトーマスの組はよかったですし、キャントレーの組も巻き返してきました。
米国選抜にとってフォアサムが苦手なのは、チーム戦の歴史を見てもわかります。個人主義の米国に対して、ライダーカップのヨーロッパ、プレジデンツカップの世界選抜には、横の繋がりがありますから。フォアボールならアメリカのほうが強いと思っていますが、フォアサムの組み合わせを模索していきながら、米国はここから一気にくると思います。
インターナショナルチームは、アーニー・エルスというコースを熟知したキャプテンによるプラスアルファのアドバンテージが若手の助けになっていますが、米国選抜も練習ラウンドを含めて3ラウンド目、4ラウンド目になってコースに対応してくるでしょう。そうすると約7000ヤードパー71というコースは、米国選抜にとってやはり短いですよね。セカンドもほとんどウェッジでしたし、どこにどう打てばよいかわかってしまうと、巻き返して明日のリーダーボードは「真っ赤っ赤」になってしまうかもしれません。
プレーヤーとしてのタイガーも抜群です。最後18番でストレッチしていたりして、腰の痛みとか重さはあるのかもしれないですけど、これを頑張ればクリスマスのお休みですから。副キャプテンには(フレッド・)カプルスもいるし、(スティーブ・)ストリッカーもいるしザック(・ジョンソン)もいる。タイガーはプレーヤーとして出続けたほうがいいですね。そういえば、エルスも出たがっているように見えましたね。「俺に打たせろ!」みたいな(笑)。
しかし今回のプレジデンツカップは、米国選抜は完全アウェイですね。プレーヤーがギャラリーのノイズにやられるのはライダーカップとプレジデンツカップだけですけど、オーストラリアのギャラリーはアンチアメリカですね。2015年の韓国ではアメリカのファンも多かったですが、今回は世界選抜の味方になっています。
(写真:Getty Images)
コースに対応した米国選抜が一気に畳み掛けてくる?
途中はインターナショナルチーム(世界選抜)がかなり押している状態でしたが、終わってみたら2日目は両者2.5ポイントずつのイーブンという結果でした。まさにフォアサムの怖さ、流れを感じましたね。
ゴルフは「自分で打っていく」という流れが普通のなか、フォアサムでは予期せぬシュチュエーションで打順を渡されるわけです。自分で打ってミスしたのなら、覚悟してセカンドを打ちますが、そういう「自己責任」のボールじゃないんですよね。相手が打ったボールがラフにいって、現場について、「なんだよ、このライから打つのか」というネガティブな気持ちになってしまうと、今度は自分が「相手にこのシチュエーションで渡してはいけない」と思ってしまうわけです。相手に良くない場面を与えちゃいけないというプレッシャーは、普通のゲームにはないですよね。
「変な優しさ」があるとそれが負の連鎖になってしまい、いつもどおりのプレーができなくなってしまいます。このフィールドにはトップオブトップの選手たちが集まっているわけですが、強者の米国選抜の選手たちでさえも、そういうことでかみ合わせが悪くなってしまうわけです。それでも、最後にはタイガーとトーマスの組はよかったですし、キャントレーの組も巻き返してきました。
米国選抜にとってフォアサムが苦手なのは、チーム戦の歴史を見てもわかります。個人主義の米国に対して、ライダーカップのヨーロッパ、プレジデンツカップの世界選抜には、横の繋がりがありますから。フォアボールならアメリカのほうが強いと思っていますが、フォアサムの組み合わせを模索していきながら、米国はここから一気にくると思います。
インターナショナルチームは、アーニー・エルスというコースを熟知したキャプテンによるプラスアルファのアドバンテージが若手の助けになっていますが、米国選抜も練習ラウンドを含めて3ラウンド目、4ラウンド目になってコースに対応してくるでしょう。そうすると約7000ヤードパー71というコースは、米国選抜にとってやはり短いですよね。セカンドもほとんどウェッジでしたし、どこにどう打てばよいかわかってしまうと、巻き返して明日のリーダーボードは「真っ赤っ赤」になってしまうかもしれません。
プレーヤーとしてのタイガーも抜群です。最後18番でストレッチしていたりして、腰の痛みとか重さはあるのかもしれないですけど、これを頑張ればクリスマスのお休みですから。副キャプテンには(フレッド・)カプルスもいるし、(スティーブ・)ストリッカーもいるしザック(・ジョンソン)もいる。タイガーはプレーヤーとして出続けたほうがいいですね。そういえば、エルスも出たがっているように見えましたね。「俺に打たせろ!」みたいな(笑)。
しかし今回のプレジデンツカップは、米国選抜は完全アウェイですね。プレーヤーがギャラリーのノイズにやられるのはライダーカップとプレジデンツカップだけですけど、オーストラリアのギャラリーはアンチアメリカですね。2015年の韓国ではアメリカのファンも多かったですが、今回は世界選抜の味方になっています。
(写真:Getty Images)
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