初日のマキロイに象徴される出だし4ホールの重要性「前半5ボギーから一転して後半4バーディ」
2017年7月21日(金)午前8:16
全英オープン初日を終えてトップはジョーダン・スピース、ブルックス・ケプカ、マット・クーチャーの5アンダー。メジャー制覇へ期待のかかる松山英樹は首位と3打差の2アンダー、12位と好スタートを切った。
今年の開催コース「ロイヤルバークデールGC」は全英オープン屈指の難コースとして知られ、多くの選手がスコアメイクに苦しむ"我慢比べ"の展開が予想されていたが、初日にアンダーパーをマークしたのは39人となった。
ゴルフネットワークで後半の解説を担当した内藤雄士ツアープロコーチに初日の総括と2日目以降の展望を聞いた。
【大会初日、後半の解説を務めた内藤雄士ツアープロコーチ】
練習ラウンドを見ていた限りでは、あのコースでトップが5アンダー、さらにはアンダーパーが39人も出るとは思っていませんでした。予想よりもスコアが伸びた要因は天候です。第1組がスタートした朝は気温が低くて、風と雨もあって厳しいコンディションでしたが時間が経つにつれて穏やかな天候に変わっていきました。
午前スタート組の選手はダウンを着込んだり防寒対策をしていましたが、午後は気温が20度くらいまで上がり終盤は半袖でプレーしている選手も多かったくらいです。
一日に四季があると言われる全英オープンらしく、午前と午後でコンディションは一変しました。前回ロイヤルバークデールGCで開催された2008年大会を見ても、天候に左右されるコースです。天候の違いで運・不運もありますが、初日に限って言えば午前と午後でどちらがラッキーだったということはなかったと思います。
午前スタートは寒くて風もあって難しかったですが、雨の影響でグリーンが重かったので細かい傾斜を気にせずしっかりと打っていけるためバーディが多かった。
一方で午後になると気温も上がりプレーはしやすいコンディションでしたが、グリーンが硬くなったことで難易度が上がりました。グリーンが硬くなって早いとタッチを合わせないといけないので複雑な傾斜のラインを読むのが難しくてバーディパットを外すシーンをよく見ました。
上位陣に共通しているのは出だしでつまずかないこと
初日の結果を見ても、ポイントは出だしの4ホールが鍵を握ると思います。
首位の3人は誰一人として4番ホールまでにボギーを叩いていないし、フロント9のスコアが良いです。出だしでつまずかないことで良い流れを作っています。クーチャーは2番と4番でバーディを奪うなどフロント9が「29」で、後半は全てパーセーブで5アンダーフィニッシュ。
対照的だったのはマキロイ。1番でボギー発進の後、3番から6番まで4連続ボギーで前半は「39」。予選通過が絶望的な状況から後半は一転して4バーディ、ノーボギーで最終的には1オーバーまで巻き返しました。ロイヤルバークデールGCは出だしの4ホールと6番・7番が難しいので前半でリズムを作るのが非常に難しいコースです。
日本の宮里選手も池田選手もフロント9で苦しんでいました。前半がパープレーなら優勝争いにいる位置です。
2日目以降も天候に注目です。大会初日とは打って変わって悪天候の予報が出ているので、セカンドの番手や攻め方、コースの難易度もがらりと変わってくると思います。
上位は今シーズン好調な選手が名を連ねていますが、オーバーパーグループには2008年大会優勝のパドレイグ・ハリントンやフィル・ミケルソン、セルヒオ・ガルシアなど実力者もたくさんいます。天候が悪化して厳しいコンディションになればベタラン勢の経験が活きてくるでしょう。
2008年大会の時は予選カットラインが9オーバーまで下がりましたが、今年は全く予想がつかないです。でも、何が起こるかわからないのが全英オープンの面白いところなので、どんな展開になるのか楽しみです。
(解説:ツアープロコーチ内藤雄士)
(写真:Getty Images)
全英オープン
<テレビ放送予定> 1日目:7月20日(木)午後2:30~深夜4:00 2日目:7月21日(金)午後2:30~深夜4:00 3日目:7月22日(土)午後5:00~深夜4:00 ※最大延長午前 6:00 4日目:7月23日(日)午後4:00~深夜3:00 ※最大延長午前 7:00 <出演> 解説:佐藤信人(プロゴルファー・JGTO理事)、内藤雄士(ツアープロコーチ) 実況:薬師寺広・土居壮 ゲスト解説:矢野東プロ(2日目)、久保谷健一プロ(3日目)、塚田好宣プロ(4日目)
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