大混戦の優勝争い!月曜プレーオフ決着を予感させるジンクスとは?
2017年6月18日(日)午後5:33
メジャー初制覇を狙う選手が上位に名を連ねる今年の全米オープン。大混戦の優勝争いに注目が集まる中、ゴルフネットワークで決勝ラウンドの後半パートの解説を担当する佐藤信人プロにズバリ優勝予想を聞いた。
日本人としては松山選手がビッグスコアを出して、大逆転でメジャー制覇するシナリオを期待したいです。ただし、上位が混戦なのでコースコンディションがそれほど変わらないことを考えると優勝候補の本命は首位のブライアン・ハーマー。
過去の全米オープンやメジャーを見ても、飛ばし屋有利と言われる大会に限って飛距離の出ないショットメーカーが勝つことがあります。ハーマーの今大会のドライビングディスタンスは295.2Yで上位陣の中では唯一、フィールド全体の平均を下回る選手です。
3日間大崩れすることなく安定したプレーを見せているブルックス・ケプカはボールが曲がらない選手なので優勝の可能性が十分あります。フェアウェイキープ率6位、パーオン率2位とボールが曲がらないのがストロングポイントなので、ここまで3日間の試合展開を考えると優勝に近い選手ですね。
もう一人の注目選手はリッキー・ファウラー。フィル・ミケルソン、タイガー・ウッズ不在のメジャー大会となり、さらに世界ランキング上位者が予選ラウンドで姿を消す中、アメリカのナショナルオープンとしてはファウラーへの期待値は大きいでしょう。ファウラーが勝てばメジャー初優勝となり、アメリカはもちろん、ゴルフ界全体が盛り上がるので期待したいところ。
アメリカ期待の選手といえば、3日目に「63」というの記録的なビッグスコアを出したジャスティン・トーマスもいますが、全米オープンの記録を塗り替えるほどの歴史に残るプレーを3日目にしてしまうと最終日は戦いづらくなると思います。
また、この混戦状態を考えるとプレーオフの可能性も十分あります。全米オープンのプレーオフは翌月曜日に18ホールのストロークプレーで決着します。プレーオフに持ち込めば、優勝の行方はわかりません。そして、今年はプレーオフを予感させるあるデータがあります。
『117回の全米オープン史上、プレーオフ決着となったは過去33回で9年以上プレーオフがなかったことがない』(※)
直近でプレーオフとなったのは「タイガー・ウッズ91ホールの死闘」と呼ばれる2008年大会なので、もし今年プレーオフにならなければ9年間無かったことになります。妙なジンクスではありますが、プレーオフになってもおかしくない混戦状況です。
【直近のプレーオフ決着】
2008年 タイガー・ウッズ
2001年 レティーフ・グーセン
1994年 アーニー・エルス
1990年 ヘール・アーウィン
1988年 カーティス・ストレンジ
1984年 ファジー・ゼラー
大混戦を抜け出すのは誰か、全く予想のつかない展開なのでサンデーバック9の優勝争いが楽しみです。
(※)これまでにプレーオフが行われなかった期間が最も長いのは1984年のファジー・ゼラーが優勝した時で1975年以来9年ぶり
全米オープンゴルフ選手権
最終日 6/18(日) 午後11:00~翌午前9:30(LIVE)
【解説】佐藤信人プロ、ツアープロコーチ内藤雄士
【現地ラウンド解説】プロキャディ杉澤伸章
※最大延長午前11:30まで