全米オープンウィーク特別企画 難しいコースで大叩きが止まらなくなった時の対処法とは
2015年6月17日(水)午前1:06
歴代でも屈指の難コースとの評価もある、今年の全米オープン開催コース、チェンバーズベイGC。全英オープンを思わせるようなリンクス風のレイアウトに、大きな高低差があり、独特の印象を醸しています。
ジャッジの難しいフェスキュー芝に地面の硬さ、傾斜の大きさなどに、多くの選手が苦しめられています。
予選を突破して出場権を獲得した薗田峻輔プロのコーチ、石井忍プロは開催コース、チェンバーズベイの印象について、次のようにコメントしています。
「コース内の強い起伏や傾斜を使わないといけないので、ボールの転がりや弾道の高さなどをイメージするイマジネーションが非常に要求されます。
コースの特徴は非常に乾燥していて、地面がとても硬いこと。どこに打つ、よりも、どこに止まるかを見極めなくてはいけません」
「攻略ルートは手前からだけではなく、傾斜を使って横からや、時には奥から転がし戻すことも必要になります。グリーンへの入り口の見極めが重要になります」
世界トップのプロゴルファーが、想像力を駆使して戦う全米オープン。最終日まで目が話せません。
悪いスコアが続くとき、どう持ち直すか?
全米オープンの様に難しいコースセッティングだと、トッププロであってもスコアメイクに苦しみます。連続ボギーやダブルボギー、トリプルボギーといった大叩きもありえます。
プロほど難しい状況ではなくとも、ボロボロと大叩きをしてしまうことは我々アマチュアゴルファーにも起こります。スコアを崩してしまい、悪い流れが止まらない時は、どう持ち直せばいいのでしょうか?
石井忍プロは次のようなアドバイスをしてくれました。
「悪い流れを断ち切るには、一度リセットする感覚を出したいですね。スコアが崩れかけたら、意識的に心に線を引き、リセットします。そこまでのスコアを忘れて、次のホールから新たに目標を立ててプレーします。」
「大叩きの予防策として、最初から3ホール区切りでスコアをつけてみるのもおすすめです。その3ホールがダメでも、『次の3ホールはまた新たに頑張ろう』と思う事で、心にリセット感を得られます」
技術的なことというよりも、精神的な割り切りが求められるようです。
東京・千葉でレッスン活動を行い、自身もツアープレーヤーとして活躍している今野一哉プロにも、ダラダラと叩いてしまいスコアを崩してしまうのを防ぐにはどうしたらいいかを聞いてみました。
「流れが良くなく、悪いスコアが続く負のスパイラルに陥らないためのコツは、スタートからホールバイホールで目標を立てておくとよいでしょう。例えば、スタートの1番はボギーでOK。距離の短いパー5の2番はパーを取りたい、という具合に、はっきりと目標を事前に立てておきます」
「ポイントは、各ホールの目標スコアより良くても悪くても、気にしないことです。次のホールで取り返そうとか、大事にいこうなどと考えないことです。常に1ホール1ホールの単位で、目標スコアに向かってプレーします。」
コースプランを考えて、それを実行することを意識しながらプレーすると、次のような効果があるといいます。
「難しいコースでは、予想を上回るトラブルがあったりして、精神的にダメージを負います。それがスコアの負の連鎖につながるわけです。それを防ぐために、事前のプレープランを守ることを意識することで、リズムが悪くなるのを予防するのです」
「アマチュアの方は、初めてのコースでプレーすることも多いはず。その時は、スコアカードを見て、ホールごとのハンディキャップやコースレートを参考にして、おおまかにプランを考えるといいでしょう。
精神状態が良くないと、プレーやスイングのリズムが悪くなるので、フラットな気持ちを保つためにも、プランを立てることが有効ですね」
ツアープロもコースメモを見ながら、事前に綿密なコースプランを考えているとのこと。
ホームコースのレイアウトをイメージしながら、自分なりのコースプランを考えてみると大叩き防止になるはず。
心のマネージメントを上手く行って、大叩きの連鎖に陥らないようにしたいものですね。