丸山茂樹に笑顔が戻った。

　現地時間15日に開幕した米男子ツアー、フルフィールドによる初戦ソニー・オープン・イン・ハワイ（ハワイ州オアフ島、ワイアラエCC）第1ラウンド。昨季賞金ランク207位に終わった丸山が復活の狼煙を上げる5アンダー65と爆発。前週優勝のジェフ・オギルビー（豪）、ブー・ウィークリー（米）らに1打差をつけトーナメントをリードした。

　強風の吹く難しいコンディション。しかし丸山は好調なパットを武器に前半4つのバーディを奪うと、10番でもう1つバーディを追加し、5アンダーで単独トップに躍り出る。その後12番のボギーで一歩後退するも、17番パー3でバーディを奪い返し、頭ひとつ抜け出した。

　昨季は過去最低の成績に甘んじ、最高位はソニー・オープンでの25位タイ。年々周囲の選手の飛距離が伸び、パワーゲームが台頭するアメリカにあって、ツアー3勝を誇る丸山の成績はじりじりと下がる一方。「もう勝てない」と諦め、アメリカ撤退を決心した矢先のトップ発進。復調の陰には「どんなときも絶対に諦めない姿勢を貫くタイガー（・ウッズ／米）を見習いたい」という気持ちがあった。たとえアメリカで勝てなくなっても、「日本に帰って若手の壁になれれば」と考えている丸山だが、ここで結果を出せれば新たな展開が見えてくる。残り3日、トレードマークの“スマイル”が全開になれば言うことはない。

　そんな丸山を追いかけるのがメルセデス-ベンツ選手権を制したオギルビー。前週はゲンを担いだ無精ひげで優勝したが、今週はきれいさっぱりひげを剃り落とし「ジンクスは信じない」ときっぱり。1打差の2位タイスタートは2週連続優勝へ、大いに期待を持たせる位置だ。

　その他ディフェンディング・チャンピオンの崔京周（韓）は、2アンダー68で回り13位タイとまずまずの滑り出しを見せたが、世界ランク10位のアーニー・エルス（南ア）は2オーバー72を叩き、79位タイと大きく出遅れた。