突如会場のオークランドヒルズCC（ミシガン州ブルームフィールド・タウンシップ）を襲った嵐により、第90回 全米プロゴルフ選手権のスケジュールは大幅な変更を余儀なくされた。

　米男子ツアーの今季メジャー最終戦は第3ラウンド（現地時間9日）にして波乱含みとなった。快晴に恵まれた午前中から一転、午後になってスコールのような大雨に見舞われ、午後2時16分に中断。この時点で残り3組がスタートしておらず、再開が待たれたが、天候回復の見込みはなく、4時間強の中断ののち、サスペンデッドが決まった。

　PGAのマネージング・ディレクターを務めるケリー・ヘイグ氏は、「途中再開の目処が立った時間帯もあったが、新たな雨雲が発生して試合続行は不可能になった」と説明。結局第3ラウンドの続きは日曜日の午前7時15分から再開されることになった。

　最終組の暫定トップに立っているJ.B.ホルムズ（米）とチャーリー・ウィー（米）の2人。1組前でベン・カーティス（米）とジャスティン・ローズ（英）が回るが、上位選手にとっては最終日に36ホールを消化しなければならず、予断を許さない状況。主催者側は日曜日の午後の降水確率が30パーセントのため、場合によっては月曜日に競技がずれ込む場合もあるとしている。

　そんな中、前日48位タイにつけていたアンドレス・ロメロ（アルゼンチン）が7バーディ、2ボギーの5アンダー65と爆発し、通算2オーバーで暫定8位タイに浮上。「完璧なゴルフが出来た。フェアウェイを外さず、グリーンに乗せる理想のゴルフ。優勝を狙える位置を確保できて、明日が待ち遠しい」と喜んだ。前日は16番パー4で池に2回連続で打ち込み、痛恨の『8』を叩いて『78』。第1ラウンドを69で回り、上位スタートだった貯金を吐き出し急降下した。だが、ムービングデーの第3ラウンドで巻き返し、本人は大きな手応えを感じていた。

　一方、最終日に36ホールの長丁場を戦うことになったホルムズは「厳しいね」と神妙な面持ち。「学生時代はよく36ホールをプレーしたけれど、今回の36ホールは精神的にも肉体的にもきついだろう。でもやるしかない！」と初メジャー獲りに意欲を見せた。

　その他、フィル・ミケルソン（米）は5ホールを終えてイーブンパーとスコアに変動はなく、通算3オーバー暫定17位タイ。アーニー・エルス（南ア）、レティーフ・グーセン（南ア）はともに13ホール終了時点で通算5オーバー暫定29位タイにつけている。

　尚、現時点で前日のトーナメントリーダー、ホルムズを抜いて暫定トップに立った選手は居ない。