かつて世界ナンバー1の座に君臨したグレッグ・ノーマン（豪）と、彼の後継者アダム・スコット（豪）が好スタートを切った。

　今季メジャー第3戦、第137回全英オープンが英、サウスポートのロイヤル・バークデールを舞台に現地時間17日開幕。初日から激しい風雨と寒さに見舞われ、いかにも全英らしい苛酷なコンディションの中、各選手ともスコアメイクに苦しんだが、天候が回復した午後にスタートしたロッコ・メディエート（米）、グラエム・マクドウェル（北アイルランド）、ロバート・アレンビー（豪）の3人だけが、アンダーパー（1アンダー69）をマークしトーナメントをリードした。

　アレンビーの他にもオーストラリア勢は好調で、練習ラウンドを今田竜二と回り話題になったノーマンがイーブンパー70にスコアをまとめ、同郷の後輩スコットと並び4位タイの好発進。首位タイに2打差の7位タイにレティーフ・グーセン（南ア）、マイク・ウィアー（カナダ）、ジム・フューリック（米）らメジャー優勝経験者が名を連ね、昨年のこの大会でプレーオフに敗れリベンジを誓うセルヒオ・ガルシア（スペイン）は、アンソニー・キム（米）、イアン・ポルター（英）らと共に15位タイにつけた。またディフェンディング・チャンピオンのパドレイ・ハリントン（アイルランド）は4オーバー74で38位タイ。

「今回のこのセッティングは、実にフェアだ。特定なプレーヤーに有利なのではなく、すべての選手に平等にチャンスがある」と言うノーマンは、往年の輝きを取り戻したかのようなハツラツプレー。先頃挙式したばかりのクリス・エバートさんの応援を受け、2バーディ、2ボギーの安定したゴルフで、全英3度目の優勝さえ狙える位置からのスタートとなった。

　先輩に触発されたかのように好プレーを見せたのが世界ランク4位のスコット。「昔から、ノーマンに憧れて世界を目指した」と言うスコットも、ノーマン同様2バーディ、2ボギーの堅実なゴルフで首位と1打差の絶好のポジションを確保した。優勝候補のフィル・ミケルソン（米／9オーバー79／123位タイ）やアーニー・エルス（南ア／10オーバー80／136位タイ）が予選落ちの危機を迎える中、ポストタイガー世代のヒーローが念願のメジャー初勝利を狙っている。

　それにしてもビッグネームたちにとっては散々の一日だった。ミケルソンは「6ホールを終えて、6オーバーだなんて、全く酷いラウンドだった。楽しくないから内容には触れたくない」と思わぬ出遅れに憮然とした表情。エルスと同じく80を叩いて136位タイに沈んだビジェイ・シン（フィジー）も、「酷い天気、惨めなゴルフ」と天を仰いだ。

　ちなみに前回ロイヤル・バークデールで優勝を飾ったマーク・オメーラ（米）は4オーバー74で回り、歴代チャンピオンのトッド・ハミルトン（米）らと38位タイにつけている。