2週間前、国内ツアーのセガサミーカップで優勝をさらったジーブ・ミルカ・シン（インド）が好スタートを切った。

　米男子ツアーの今季メジャー最終戦、第90回 全米プロゴルフ選手権はミシガン州ブルームフィールド・タウンシップのオークランドヒルズCCを舞台に、現地時間の7日開幕。第1ラウンドのこの日は午後になって雲行きが怪しくなり、午後5時過ぎから1時間25分の雷雨による中断を経て試合自体は再開されたものの、24人がホールアウトできずに日没サスペンデッドとなった。

　そんな中、2アンダー68をマークし暫定トップに立ったのがシンとロバート・カールソン（スウェーデン）、アンドレ・ロメロ（アルゼンチン／16ホール終了）の3人。1打差の暫定4位タイにメジャー初優勝を狙うセルヒオ・ガルシア（スペイン）、ライダーカップのメンバー入りを目指すショーン・オヘア（米）、ケン・デューク（米）、ビリー・メイフェア（米）が続き、出入りの激しいゴルフながらイーブンパー70にスコアをまとめたフィル・ミケルソン（米）が、アンソニー・キム（米）、ロッド・パンプリング（豪）、アンヘル・カブレラ（アルゼンチン）らとともに暫定8位タイの好位置を確保した。

　かつてタイガー・ウッズ（米）から世界ランク1位の座を奪い獲ったことのある本家“シン”ことビジェイ・シン（フィジー）が暫定92位タイと出遅れる中、自らを「もう1人のシン」と呼ぶジーブがメジャーの舞台で堂々の上位スタート。これには本人「全然期待していなかったから驚いている。ただイーブンパーで回ることを目指して、必死でプレーしていたら、結果がついてきた」と喜んだ。

　父は1960年のオリンピックで陸上の400メートルに出場した国民的アスリート。欧州ツアーを主戦場としているシンは、アメリカ、日本、アジアを飛び回り年間30数試合を戦う鉄人ゴルファーである。現在は足首に違和感があり、「100パーセントでドライバーを振り回せる状態ではない」と打ち明ける。だが今季のメジャーではタイガー・ウッズ（米）がひざ痛に耐えて全米オープン優勝。全英オープンでもパドレイ・ハリントン（アイルランド）が手首痛を押して出場し勝利を挙げており、ケガが“勝てない原因”にはならないことが証明されている。何やらシンの足首痛と、タイガーやハリントンのケガがオーバーラップするが、日本ツアーで腕を磨いたシンの2日目以降のプレーに注目したい。