6月の全米オープンをにらんでの戦いが予想される現地時間24日開幕の米ツアー、ビュイック招待（カリフォルニア州サンディエゴ、トリーパインズGC）では、若いパワーからも目が離せない。

　昨季ネイションワイドツアーで史上最年少優勝を果たした20歳のジェイソン・デイ（豪）は、同ツアーの賞金ランク5位となって今年の米ツアー出場権を獲得。プレーでは恐れを知らない若者らしさを前面に押し出している。

　フィリピンと豪州のハーフとして生まれたデイは、3歳の頃に父から3Wを与えられてゴルフに親しんだ。だが、11歳のときに父が死去。女手一つで育てられたが、貧しい暮らしの中で悪い生活に染まった。未成年にもかかわらず、暴力と酒に明け暮れた経験を持つ。だが、母の愛で見事に立ち直り、コーチのコリン・スワットン氏に出会ったことで、ゴルフを再開するようになった。

「ティーンエイジャーの頃は本当に辛かった。でも、その頃の経験があったから今の僕がある。馬鹿なことをたくさんしたと後悔しているし、2度とあんなことはしない。僕は少しはマシな人間になった。一生懸命練習したし、何でも真剣に考えるようになったんだ」と、真っ直ぐに前を見つめて語るデイ。同じ舞台に立つタイガー・ウッズ（米）を倒すことを夢見て、大舞台に挑む。