「開幕戦にコミッショナーがいないなんて」。こんな声が大会会場に渦巻いていた。

　現地時間3日から行われている米男子ツアーの開幕戦、メルセデス-ベンツ選手権（ハワイ州マウイ島カパルア、プランテーション・コース）の第1ラウンド終了後にスティーブン・エイメス（カナダ）は、「開幕戦だよ？　彼（ティム・フィンチェム氏）はここにいるべきだと思う。最終戦にはいたじゃないか？　何が違うって言うんだ？　同じにすべきだろう」とはっきりと発言。一気にトップの不在が目立ってしまった。

　ツアーのスポークスマン、ボブ・コムズ氏は「彼はいつも試合に来ているわけではないし、過去2年間は来ていた」などと火消しに必死になったが、やはり開幕戦だけに首を傾げる関係者が多かった。

　昨年からフェデックスカッププレーオフシリーズを作るなど、トッププレーヤーの欠場には敏感なツアー。だがその反面、高額賞金大会が増えるに連れて選手もツアーも、古くからのスポンサーを軽んじる傾向にあるという批判があるのも事実。元々は前年度の優勝者だけが集まり、ハワイで華やかに行われていた高額賞金大会が、トッププレーヤーの欠場でどんどん寂しくなっているだけに、余計にコミッショナーの存在が必要だったはずだ。

　タイガー・ウッズ（米）、フィル・ミケルソン（米）のトップ2が欠場したことと合わせて、「最もお金をもらっている3人がいない」とまで言われては、コミッショナーも形無し。おかげで大会の行く末が心配される噂まで飛び交っていた。