かつて世界ランクトップに君臨しながら、どん底まで落ちたデビッド・デュバル（米）がメジャーの舞台で好位置をキープしている。

　メジャー今季第2戦、第109回 全米オープン（ニューヨーク州ベスページ・ステート・パーク、ブラックC）、デュバルは現地時間21日の第3ラウンド、粘り強いプレーで4バーディ、4ボギーのイーブンパー70にスコアをまとめ、通算3アンダー3位タイ。引き続き行われた最終ラウンドでは1番をボギーとし、2番終了時点でサスペンデッドが決まったが、通算2アンダーは依然、暫定3位タイの好ポジションにつけている。暫定トップタイ（通算7アンダー）との差はあるものの、22日に持ち越された最終ラウンド次第では、逆転優勝のチャンスが見えてきた。

　90年代後半に頭角を現し、99年にはマスターズ（4月第2週）の前に4勝を挙げる快進撃で、タイガー・ウッズ（米）を抑え世界ランクトップに浮上。01年には悲願のメジャー（全英オープン）制覇を達成するなど、ゴルフ界を代表するプレーヤーとなった。ところがその直後に歯車が狂い始める。婚約者との破局や三半規管の異常で体調を崩し、02年の賞金ランクは80位に急降下。03年以降も低迷して、世界ランクも今や800位台。優勝争いからは随分長いこと遠ざかっている。

　しかし今週のデュバルは違う。ボギーを叩いてもすぐにバーディを奪い返す、忍耐強いゴルフで優勝戦線に踏みとどまっている。全盛期、シャープだった体型は年月を経て丸くなった。だがその分、尖っていた性格も丸くなり、以前にはなかった“味”を醸し出している。このままの調子なら、デュバルの本格復活が期待出来そうだ。