米国期待の星であるショーン・オヘア（米）が、第3子誕生を前にさらに大きく成長しようとしている。

　3月の米ツアー、アーノルド・パーマー招待で5打差単独首位で最終ラウンドを迎えながら、オヘアはタイガー・ウッズ（米）に逆転負けを喫して悲劇の人となった。だが、前週のクエールハロー選手権でタイガーを相手に一歩も引かずにツアー3勝目をマーク。見事にリベンジを果たし、今度は一気に注目の人に変わった。優勝賞金117万ドル（約1億1,500万円）を手にして、今季の獲得賞金はすでに296万3,843ドル（約2億9,100万円）で賞金ランク3位。世界ランクも自己最高の12位につけている。

　こんな姿は5年前には想像もできなかった。本人がこうしみじみと振り返る。「（ネーションワイドツアーより下部の）ゲートウェイツアーに出ていた04年、銀行に2,000ドル（19万6,000円）しかなくなってしまったことを思い出すよ。妻と2人、ひたすら毎日の食事と、次の試合に行くための費用を稼ぐためにプレーしていたような日々だった」。

　しかし、オヘアは04年米ツアーの出場権を獲得して苦しい生活を脱出。大舞台でプレーし始めた05年にジャッキー夫人が第1子モリーを出産した。以来、ルーキーイヤーにジョン・ディア・クラシックで初優勝すると、そのまま定住。08年PODS選手権でツアー2勝目を挙げた。そして迎えた今季、タイガーに打ちのめされながら立ち上がった姿は、不屈の精神を証明するもの。6月には第3子の誕生を予定しており、その前にもうひとつ勝ち星を重ねておきたいところだ。