注目の新人、ダニー・リー（ニュージーランド）が現地時間23日開幕の米ツアー、チューリッヒ・クラシック・オブ・ニューオリンズ（ルイジアナ州、TPCルイジアナ）でプロデビューする。

　18歳で迎えた08年の全米アマで優勝し、タイガー・ウッズ（米）が持つ最年少記録を塗り替えた。そればかりではない。欧州、アジア、豪州の3ツアー共催のジョニー・ウォーカー・クラシックにはアマチュアのまま出場し、アンソニー・キム（米）、カミロ・ビジェガス（コロンビア）、リー・ウェストウッド（英）ら並み居る強敵を押しのけて優勝。ここでも欧州ツアー最年少記録を更新している。

　そして先日、全米アマ優勝の資格でアマチュアとしてマスターズに参戦。第2ラウンドに81を叩いて残念ながら予選落ちした。終了後にプロ転向を宣言し、そのデビュー戦となったのが今大会。韓国生まれで、幼い頃にニュージーランドに移住したリーは、南半球に住んでいたのでは転戦に不便だ。欧米両ツアーに挑戦の意欲を見せているため、そのどちらにも便利な米国で現在、拠点を物色している。

　その資金を稼ぐ意味でも大事なデビュー戦だが、本人はまったく緊張した様子もなく淡々としている。「何も変わったことはない。自分のゴルフが変化することもない。アマチュアのダニー・リーではなく、プロゴルファーのダニー・リーになっただけ」と笑みを見せた。

　それでも「プロとして最初のティーグラウンドに立ったら特別な思いがするのでしょうが、それは僕の夢。だから何も変わらないんだ」。夢の舞台で始まる戦いの日々。リーはそこでプレーする喜びを全身で表現し、先輩達に立ち向かう。

　今年のマスターズでプレーオフ負けの悲劇の人、ケニー・ペリー（米）やマイク・ウィアー（カナダ）、ジャスティン・ローズ（英）、イアン・ポルター（英）ら実力者が、この若き挑戦者を待ち受ける。