勝てば永久シードのツアー通算20勝目を挙げることになるデービス・ラブIII（米）がV射程圏内に浮上した。

　米男子ツアーのフォールシリーズ最終戦、チルドレンズ・ミラクル・ネットワーク・クラシックは、フロリダ州レイク・ブエナビスタ、ディズニーズ・マグノリアGCを舞台に現地時間の8日、第3ラウンドの競技を終了。前日トップに立ったスコット・バープランク（米）と2日連続『66』の好スコアをマークしたスティーブ・マリーノ（米）の2人が通算19アンダーで首位を分け合った。

　注目は2打差の3位タイに浮上したラブIII。この日1イーグル、6バーディの8アンダー64と爆発し、前日の19位タイから逆転可能なポジションへジャンプアップした。同じ3位タイに現在賞金ランク153位と崖っぷちのスコット・スターリング（米）。初日のトーナメントリーダー、トロイ・マッテソン（米）は通算16アンダーで、ロバート・ギャリガス（米）らと5位タイにつけている。

　今季、足首の故障から手術を受け夏場の試合を棒に振ったラブIIIは、シード権（賞金ランク上位125位以内）を守るため、いつもなら出ることのないフォールシリーズに参戦中。「選手たちの顔ぶれが全然違うから、スタート前のティーグランドで初めて顔を合わせる感じで戸惑ったよ」とベテランは苦笑いする。

　首位タイのマリーノが「ラブIIIは雲の上の人。昔からテレビでその姿に憧れたもの」と言う通り、フォールシリーズにラブIIIは場違いな感じすらする。しかし優勝争いとなれば話は別。もし勝てばツアー通算20勝目となり、永久シードが手に入る。ケガのせいで現在ランク118位と低迷している今季の苦労を一気に吹き飛ばすことが出来る。「シードは関係ない。欲しいのは優勝の二文字だけ」と言うラブIIIは、逆転勝利に向けエンジン全開で突っ走るつもりだ。

　その他、ディフェンディング・チャンピオンのスティーブン・エイメス（カナダ）は通算11アンダー24位タイ。2度の心臓移植手術を経験しているエリク・コンプトン（米）は、通算6アンダー49位タイにとどまっている。