オーガスタ行き最後の切符1枚を巡って、激しい戦いが繰り広げられる。

　次週にメジャー初戦、マスターズを控えた米ツアーの前哨戦は、現地時間3日開幕のシェル・ヒューストン・オープン（テキサス州ハンブル、レッドストーンGCトーナメントC）。大一番に出場権を持たない者にとっては、優勝すれば土壇場で出場権が勝ち取れる大事な戦いだ。

　その代表が、メジャー2勝の経験を持ちながら現在はシード権すらなく、スポンサー推薦で試合に出ているジョン・デイリー（米）。復活へのカギを握っていたスイングコーチ、ブッチ・ハーモン氏ともアルコール問題で決裂し、プロアマ欠場で周囲を巻き込んだ失格劇を演じてからもあまり時間がたっていないが、何より結果が欲しいだけに貪欲にプレーするはずだ。世界ランキング50位以内という出場資格は先週までで締め切られたため、その様相はさらにヒートアップしている。

　一方、07年全英オープン王者のパドレイ・ハリントン（アイルランド）やディフェンディング・チャンピオンのアダム・スコット（豪）、先週のチューリッヒ・クラシック・オブ・ニューオリンズでツアー初優勝を果たしてオーガスタ行きを決め、波に乗るアンドレス・ロメロ（アルゼンチン）のようにマスターズ出場が既に決まっている者にとっては調整に重要な大会。試合勘に磨きをかけ、自信を深めるためにも失敗は許されないとあって、こちらも譲れない戦いとなるはずだ。

　残念ながら日本勢は一人もエントリーしていないが、大逆転が期待されるドラマチックな大会となることは間違いない。