海外男子
飛距離だけじゃない!見事なコントロールショットで初勝利をたぐり寄せた20歳オルドリック・ポットギーター【田島創志のPGAツアーアフタートーク】
2025年7月3日(木)午後0:37

- この記事のキーワード
ミシガン州のデトロイトゴルフクラブで開催された「ロケットクラシック」。72ホールが終わった時点で、南アフリカの新星オルドリック・ポットギーター、未勝利ながら安定感抜群のマックス・グレイザーマン、ツアー6勝のベテラン、クリス・カークが22アンダーで並び、プレーオフに突入しました。カークが2ホール目で脱落後も、ポットギーターとグレイザーマンの戦いは続き、ポットギーターが通算5ホール目でバーディーを奪い、米ツアー初勝利を手にしました。
5人が出場した日本勢は、4人が予選を通過。松山英樹選手が最終日にスコアを伸ばし、18アンダーの13位タイでフィニッシュしました。大激戦となった大会の模様を、ゴルフネットワークで解説を務めた田島創志プロに振り返ってもらいました。
この年齢だと、緊迫した場面ではどうしてもフルスイング一辺倒になりがちですが、彼の場合は巧みに距離をコントロールしていた。また、「全英アマ」を17歳で制するなど、ジュニア時代に多くの大会で活躍してきただけあって、勝ちグセがついているし、戦い方も知っている。最終日をトップで迎えたとき、「初優勝の可能性は大いにある」と思ったものです。
2位に2打差のトップでスタートした最終日は2番でボギーを叩きましたが、372ヤードの8番パー4で悪い流れを断ち切りました。このホール、不安定だったドライバーを持たずにアイアンでティーショット。セカンドもきっちり乗せてバーディーを奪ったことが、それ以降のドライバーの安定感につながったような気がします。
一方、最終日はボギー無しの5アンダーで回りトップに追いついたのがマックス・グレイザーマン。特筆すべきショットはなかったものの、16番パー4で長いバーディーパットを入れたことが、17番パー5のバーディーにも繋がり、終盤でトップを捉えました。
そして向かえたプレーオフ。最初に脱落したのは、ベテランのクリス・カークでした。プレーオフに入ってからもショットに関しては経験値の高さを感じましたが、最後は厄介なポアナ芝に嫌われました。「経験値が高いのになぜ?」と思う人がいるかもしれませんが、経験値が高いからこそ心のどこかに迷いが生じたのではないでしょうか。
ポットギーターとグレイザーマンの戦いはその後も続き、決着が付いたのは5ホール目の15番パー3。このホールを苦手としていたポットギーターが見事なコントロールショットでグリーンを捉え、バーディーパットもしっかり決めて勝利を手にしました。
日本人選手は4人が決勝ラウンドに進み、松山英樹選手が18アンダーの13位タイ、金谷拓実選手が11アンダーの46位タイ、久常涼選手が9アンダーの60位タイ、大西魁斗選手が7アンダーの73位タイで大会を終えました。
松山選手は、ショットはキレていましたが、パッティングに関してはまだしっくりいっていない状態。また、ティーショットのフェアウェイキープ率が低かった点も少し心配ですが、「全英オープン」までには修正してくれるでしょう。
その他の選手に関しては、ポアナに苦しめられ、フラストレーションを溜めてのプレーになりましたが、3人ともアンダーパーで回ったというのは明るい材料です。次戦の「ジョンディアクラシック」では、この3人と星野陸也選手が出場予定。頑張ってもらいたいところです。
その「ジョンディアクラシック」が行われるTPCディアラン(イリノイ州)は、デトロイトゴルフクラブほどフラットではありませんが似たようなコースで、ティーショットの精度や緻密なマネジメントが求められます。そういう点からいうと、日本人選手にとっては有利なコース。大いに期待しましょう。
(写真:Getty Images)
5人が出場した日本勢は、4人が予選を通過。松山英樹選手が最終日にスコアを伸ばし、18アンダーの13位タイでフィニッシュしました。大激戦となった大会の模様を、ゴルフネットワークで解説を務めた田島創志プロに振り返ってもらいました。
8番パー4のレイアップでリズムを取り戻したポットギーター
3人によるプレーオフとなり、オルドリック・ポットギーターが頂点に立った今年の「ロケットクラシック」。まず、優勝したポットギーターについて。スケールが大き過ぎて簡単には語れないのですが、印象としては圧倒的な飛距離だけでなく、距離のコントロールが上手い選手です。弱冠二十歳。この年齢だと、緊迫した場面ではどうしてもフルスイング一辺倒になりがちですが、彼の場合は巧みに距離をコントロールしていた。また、「全英アマ」を17歳で制するなど、ジュニア時代に多くの大会で活躍してきただけあって、勝ちグセがついているし、戦い方も知っている。最終日をトップで迎えたとき、「初優勝の可能性は大いにある」と思ったものです。
2位に2打差のトップでスタートした最終日は2番でボギーを叩きましたが、372ヤードの8番パー4で悪い流れを断ち切りました。このホール、不安定だったドライバーを持たずにアイアンでティーショット。セカンドもきっちり乗せてバーディーを奪ったことが、それ以降のドライバーの安定感につながったような気がします。
一方、最終日はボギー無しの5アンダーで回りトップに追いついたのがマックス・グレイザーマン。特筆すべきショットはなかったものの、16番パー4で長いバーディーパットを入れたことが、17番パー5のバーディーにも繋がり、終盤でトップを捉えました。
そして向かえたプレーオフ。最初に脱落したのは、ベテランのクリス・カークでした。プレーオフに入ってからもショットに関しては経験値の高さを感じましたが、最後は厄介なポアナ芝に嫌われました。「経験値が高いのになぜ?」と思う人がいるかもしれませんが、経験値が高いからこそ心のどこかに迷いが生じたのではないでしょうか。
ポットギーターとグレイザーマンの戦いはその後も続き、決着が付いたのは5ホール目の15番パー3。このホールを苦手としていたポットギーターが見事なコントロールショットでグリーンを捉え、バーディーパットもしっかり決めて勝利を手にしました。
日本人選手は4人が決勝ラウンドに進み、松山英樹選手が18アンダーの13位タイ、金谷拓実選手が11アンダーの46位タイ、久常涼選手が9アンダーの60位タイ、大西魁斗選手が7アンダーの73位タイで大会を終えました。
松山選手は、ショットはキレていましたが、パッティングに関してはまだしっくりいっていない状態。また、ティーショットのフェアウェイキープ率が低かった点も少し心配ですが、「全英オープン」までには修正してくれるでしょう。
その他の選手に関しては、ポアナに苦しめられ、フラストレーションを溜めてのプレーになりましたが、3人ともアンダーパーで回ったというのは明るい材料です。次戦の「ジョンディアクラシック」では、この3人と星野陸也選手が出場予定。頑張ってもらいたいところです。
その「ジョンディアクラシック」が行われるTPCディアラン(イリノイ州)は、デトロイトゴルフクラブほどフラットではありませんが似たようなコースで、ティーショットの精度や緻密なマネジメントが求められます。そういう点からいうと、日本人選手にとっては有利なコース。大いに期待しましょう。
(写真:Getty Images)
関連番組

2025 ジョンディアクラシック
7月3日(木)~7月6日(日)