今回のプレメンレッスンは、青山加織プロの第2回です。

　熊本県出身で、10歳の時に坂田塾に入門し、小学生でプロのトーナメントに出場（当時史上最年少）したほか、アマチュア時代に数々のタイトルを獲得した青山プロ。2007年にプロ入りし、現在はツアーに出場しながら、アマチュアゴルファーへの指導や、ゴルフの普及活動に積極的に取り組んでいます。

　ゴルフのことについての多くは、坂田塾で学んだという青山プロですが、メンタル面でも教えられたことが多いとか。特に、“負けたくない気持ち”を持つことが日々の生活で養われたといいます。

「坂田塾では、色々な形で競争をさせられました。練習ラウンドのときも、単にスコアを争うだけでなく、『スコアによってご飯を食べる順番を決めよう』といったように。ありとあらゆるところで順位が決められていくので、常に“負けたくない”という気持ちを持つことができました」

　それともう一つ、大事だと気づいたのは、“続ける気持ち”。

「日々500、1000球というノルマがあったのですが、ノルマに関係なく、毎日続けることが大事だということを教えられました。“続ける”ことで技術力がアップするだけでなく、自信にもつながる。将来、プロを目指そうと考えているジュニアはもちろんですが、少しでもスコアを伸ばしたいと考えている人は、負けたくない気持ちと、続ける気持ちを大切にしたほうがいいと思います」

　さて、今回のレッスンは、アイアンショットで必要不可欠な「ダウンブローをマスターする」がテーマです。

　練習場では上手く打てるのに、コースに出るとミスが出るのは、コースでダウンブローに打てない人が多いから。そしてその原因は、“手打ち”にあると青山プロはいいます。

「ラウンドになると、どうしても結果が気になるので、大事にボールを打ちたくなる。そうなったときに起こってしまうのが、手打ちです。特によく見かけるのは、ダウンスイングで右足を全く動かさず、手だけで打ちにいっている人。このような形になると、ダウンスイングで体が起き上がってしまいダフリやトップが出たり、すくい打ちになりやすくなります。そうならないように、ダウンスイングでは右足を使いながらヘッドを最下点に向けて振っていく必要があります」

　では具体的に、右足をどのように使えばいいのか。

「トップからの切り返しで、右モモと右ヒザを、目標に向けて一気に回していくことが大事です。理想は、ダウンスイングからインパクトで、右足が左足の前に入り込み、両ヒザがくっつくぐらいにすること。右足の裏が完全にめくれるようにするのも1つのポイントです。そうすれば、体重がしっかりとボールに伝わってスピンもかかります。また、下半身をこのように動かすことで、ヘッドの入射角が鋭角になり、ロフトが立つ分、スピンがかかるし飛距離も伸びます」

　また、右足の動きを意識することで、インパクトでは自然とハンドファーストの形になるといいます。

「右足を積極的に動かせば、体の回転が速くなり、ヘッドよりも先に体が回転するので自然とハンドファーストになります。この形を実現するためにも、クラブをトップまで上げたら右足をフィニッシュの形に持っていくことを意識する。言い換えれば、右足の動きを意識するだけで、すべての問題が解決するのです。アイアンでミスが出る人は、ぜひ試してみてください」