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今年中の“グランドスラム達成”も夢じゃない!?スコッティ・シェフラーが今季2勝目をメジャーで飾る【佐藤信人の全米プロゴルフ選手権アフタートーク】
2025年5月22日(木)午後0:22

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今季メジャー第2戦「全米プロゴルフ選手権」がクエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)で行われ、世界ランキングNo.1のスコッティ・シェフラーが2位に5打差の11アンダーで優勝を飾りました。日本人選手は、2017年の雪辱を期してクエイルホロ-に挑んだ松山英樹選手が予選落ち。久常涼選手は、初日、首位に4打差の9位タイ(3アンダー)という好スタートを切ったものの、最終的には1オーバーの37位タイでフィニッシュしました。同大会の模様を、ゴルフネットワークで解説を務めた佐藤信人プロに振り返ってもらいました。
優勝を分けたのは、10番のバーディパット。シェフラーはいつもそうなんですが、思い通りにいかない日でも、長いバーディパットやチップインを決めると、そこから一気に流れをつかむところがありますが、最終日も10番までは我慢のゴルフ。ところが、10番でバーディを奪ってからは一変し、11番からのティーショットもほぼノーミスでした。全体的に見ると、非常に難しいといわれるクエイルホロークラブの上がり3ホールを4日間でボギーひとつだけにまとめたことも勝利の一因だと思います。
今大会の強さを見ると、今年中にグランドスラム達成もあるのではないかという感じがしてきます。6月の「全米オープン」はシェフラーが好きそうなオークモントCCですし、「全英オープン」は過去、これといった成績を挙げていませんが、それほどプレーしていないクエイルホロークラブでもあっさりと勝ってしまうくらいなので、勝利の可能性は十分あると思います。
日本勢は今回、松山英樹選手、久常涼選手、金谷拓実選手、中島啓太選手の4人が出場して、久常選手が決勝ラウンドに進出しました。最近、久常選手は、そのショット力が認められ始めているほか、打つ前に水を口に含むプリショットルーティンが現地メディアにも取り上げられるなど、アメリカでも注目度がアップしています。今回は悔しい形で終わってしまいました(1オーバー、37位タイ)が、初優勝が近いことを感じさせる選手の1人。まずはトップ70でプレーオフに進み、さらにトップ50に入って来年のシグネチャーイベントの出場権を得るというのが、本人の現実的な目標になっていると思いますが、ぜひ実現させて欲しいと思います。
一方、大会前にはずぶ濡れになりながらパッティングの練習をしていた松山選手ですが、全米プロでは初めての予選落ち。また、メジャー連続予選通過記録も19試合で途絶えてしまいました。その悔しさをぶつけるかのように、金曜日のラウンド後、練習場でマン振りをしている姿が動画サイトに上がっていましたが、実に松山選手らしいなと。
上手くいかないとき、クラブを置いてゆっくり休むとか、旅行などに行って気晴らしをするという選手もいて、それはそれでいいことだと思いますが、松山選手は、練習によってその悔しさを払拭するタイプ。そして、「試合の悔しさは試合で晴らす」とばかりに、翌週の「チャールズシュワブチャレンジ」(テキサス州・コロニアルカントリークラブで開催)にエントリーしてきました。
同大会には、地元のファンを大事にするシェフラー(テキサス大出身)も出場を予定。テキサスならではの風と、乾いて硬くなったグリーンに対し、シェフラーや松山、そのほかのトッププロたちがどんなプレーを見せてくるのか。非常に楽しみです。
(写真:Getty Images)
最終日、苦しみながらも10番のバーディで流れをつかむ
そのシェフラーですが、“さすが”としかいいようがない横綱級の戦い振りでした。いかに世界No.1といえども、2位に3打差、4打差を付けての最終日というのは、それなりに難しさがあるものですが、途中、ジョン・ラームに並ばれても慌てず騒がず。本人的には、思い通りにいかないことにイライラする部分もあったと思いますが、途中できちんと立て直し、最後は大差を付けて逃げ切りました。大げさではなく、その姿にタイガー以来の強さを感じたものです。優勝を分けたのは、10番のバーディパット。シェフラーはいつもそうなんですが、思い通りにいかない日でも、長いバーディパットやチップインを決めると、そこから一気に流れをつかむところがありますが、最終日も10番までは我慢のゴルフ。ところが、10番でバーディを奪ってからは一変し、11番からのティーショットもほぼノーミスでした。全体的に見ると、非常に難しいといわれるクエイルホロークラブの上がり3ホールを4日間でボギーひとつだけにまとめたことも勝利の一因だと思います。
今大会の強さを見ると、今年中にグランドスラム達成もあるのではないかという感じがしてきます。6月の「全米オープン」はシェフラーが好きそうなオークモントCCですし、「全英オープン」は過去、これといった成績を挙げていませんが、それほどプレーしていないクエイルホロークラブでもあっさりと勝ってしまうくらいなので、勝利の可能性は十分あると思います。
日本勢は今回、松山英樹選手、久常涼選手、金谷拓実選手、中島啓太選手の4人が出場して、久常選手が決勝ラウンドに進出しました。最近、久常選手は、そのショット力が認められ始めているほか、打つ前に水を口に含むプリショットルーティンが現地メディアにも取り上げられるなど、アメリカでも注目度がアップしています。今回は悔しい形で終わってしまいました(1オーバー、37位タイ)が、初優勝が近いことを感じさせる選手の1人。まずはトップ70でプレーオフに進み、さらにトップ50に入って来年のシグネチャーイベントの出場権を得るというのが、本人の現実的な目標になっていると思いますが、ぜひ実現させて欲しいと思います。
一方、大会前にはずぶ濡れになりながらパッティングの練習をしていた松山選手ですが、全米プロでは初めての予選落ち。また、メジャー連続予選通過記録も19試合で途絶えてしまいました。その悔しさをぶつけるかのように、金曜日のラウンド後、練習場でマン振りをしている姿が動画サイトに上がっていましたが、実に松山選手らしいなと。
上手くいかないとき、クラブを置いてゆっくり休むとか、旅行などに行って気晴らしをするという選手もいて、それはそれでいいことだと思いますが、松山選手は、練習によってその悔しさを払拭するタイプ。そして、「試合の悔しさは試合で晴らす」とばかりに、翌週の「チャールズシュワブチャレンジ」(テキサス州・コロニアルカントリークラブで開催)にエントリーしてきました。
同大会には、地元のファンを大事にするシェフラー(テキサス大出身)も出場を予定。テキサスならではの風と、乾いて硬くなったグリーンに対し、シェフラーや松山、そのほかのトッププロたちがどんなプレーを見せてくるのか。非常に楽しみです。
(写真:Getty Images)
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