アンドリュー・ノバク（米）＆ベン・グリフィン（米）が27日、米ツアー唯一のダブル戦、チューリッヒクラシック オブ ニューオーリンズ（ルイジアナ州／TPCルイジアナ）でツアー初優勝を飾った。

　長く惜敗を重ねてきたグリフィンにとって、待ち焦がれた勝利だった。これまで何度も優勝争いに絡みながらあと一歩届かなかったが、今回ついに栄冠を手にした。「ここまで来るのに時間がかかったが、ついに達成できた。アンドリューと一緒に成し遂げられたのが何より嬉しい」と感慨深げに振り返った。

　ノバクも、先週のRBCヘリテイジでジャスティン・トーマス（米）にプレーオフで敗れたばかりだったが、その悔しさを糧に今大会へ臨んだ。「これまで終盤で失敗した経験もあったが、それを前向きに受け止め、少しずつ成長してきた。今回はそれが結果に繋がった」と冷静に分析した。

　最終日は約90分の中断を挟んだ。中断明けに連続ボギーを喫し、リズムを崩しかけたが、二人は焦らず、難コンディションの中で粘りのゴルフを続けた。特に勝負を決めたのは17番パー3。ピンの左はすぐ池、風は右からのアゲインストという厳しい状況下で、ノバクが攻める。ピン奥のカラーからの約10mのバーディパットを沈め、他チームとの差を広げた。

「PGAツアーでは、最後の最後まで攻める姿勢を崩してはいけない。それを二人で実践できたのが大きかった」とグリフィン。続く18番でも冷静に3オン2パットのパーでまとめ、二人は初のツアータイトルを掴み取った。

　ノバクとグリフィンはジュニア時代からの旧知の仲。ともにノースカロライナ州出身、大学時代も互いに意識し合いながら切磋琢磨してきた。プロ転向後もキャリアの節目で常に隣にいた存在であり、共に成長してきた。その積み重ねが、今回のペア優勝という結果に結びついた。

「長い間、互いに努力を重ねてきたのを見てきた。今回一緒に勝てたことは、本当に運命的だと思う」とノバク。「まるで映画のような話だ」と語る彼の表情には、言葉以上の重みが滲んでいた。

　二人の初優勝は、単なるスタートに過ぎない。今後さらに高みを目指し、ツアーの舞台で存在感を増していくことだろう。

（写真：Getty Images）