スコアを縮めるために多くの人はスイングを治そうとしています。しかし、スイングに手を付けなくても考え方を変えるだけでスコアは簡単に縮められます。

　その考え方というのは、“ゴルフの最低のスコア”を84に設定するというものです。84というと、１００切りを目指している人にとってはかなりレベルの高いスコアのように感じるかもしれませんが、決して臆する数字ではありません。なぜなら、18ホール全てボギーでも90。そのうちアプローチやパットがうまくいって、ハーフで3つパーを取ることができれば84になるからです。

　84で回るためには、まずダブルボギーを打たないことです。そのためには、確実にパーオンプラス1（パー4なら3オン）でグリーンに乗せればよいのです。そしてこれを実現するためには、ショットを打つたびに「攻め」なのか、「守り」なのかをはっきり決めましょう。

　パーオンさせてバーディーやパーを取りにいくには「攻め」が必要な場合がありますが、84にパーオンは1ホールも必要ありません。ディフェンス重視でパーオンプラス1を確実に達成しましょう。

　ディフェンス重視「守り」のショットとは、具体的に次のことがポイントになります。

「ドライバーは飛距離よりもフェアウェイを確実にキープすることを優先する」

「セカンドショットはグリーンに乗せにいくのではなく、次のショットで確実にグリーンに乗せられる場所に運んでおく」

「アプローチは寄せワンを狙うのではなく、確実にグリーンに乗せることを考えて打つ」

「バンカーからはピンを狙うのではなく、確実に脱出させることを考える」

「パットはラインよりもいかにカップのそばで止めるか、スピードを重視する」

　つまり、１００点のショットをいつも打とうと考えるのではなく、大きなミスショット（エラーショット）をしない打ち方を研究することでスコアは驚くほど縮められます。ぜひ参考にしてみてください。

佐久間馨（さくま・かおる）
1955年生まれ。ゴルフ科学研究所主宰。「ゴルフネットワーク 100切り＆ベスト切り選手権」指南役。アマチュア時代に競技で培った自らの経験から、誰でもパープレーができる合理的なスイング（Sスイング）を開発した。2010年、レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞。現在も数多くのゴルファーを指導中。（佐久間馨のSメソッドゴルフチャンネル）

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