本格派サウスポー・前田幸長さんは腕と体とが同調したフォロースルーも大きいスイング
2021年12月23日(木)午後1:07
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ロッテでは先発投手として、また中日、巨人ではリリーフとして活躍した前田さん。ゴルフもお上手で70を切ったことがあるそうです。
まずアドレスですが、骨盤をクラブなりに自然に傾け、腕の重さを感じて自然に肩甲骨を開いた構えはとてもいいと思います。
スイングは、懐の広さを保ちながら、アップテンポなシャープなスイングが特徴。ダウンスイングからも決して右サイドが下がることなく、スイング軸がブレないままシンプルにダイレクトにヘッドが下りてきています。
インパクトからフォローにかけても振り遅れることなく、下半身の回転と腕とグリップの動きが同調して、大きなフォロースルーへと導かれています。この時、左ワキやヒジをタイトに閉めようとせず、左サイドを上手く開いて開放するように振り切っているところも上手い点。よくトレーニングで行う、メディシンボールを目標方向に放り出す動き通りの良いフォロースルーになっていて、クラブヘッドの円弧がとても大きくなっています。
ただ、気になるのは、構えを正面から見ると、シャフトが真っ直ぐで構えたとき両腕とシャフトがYの字になっているということと、左手の極端なウィークグリップとが相まって、スイング軌道に対してフェースが常にオープンになっている点。腕力があるので、タイミングが合えば上手くフェースをスクエアに戻せるのですが、ヘッドスピードの上がりきらず、スピンも多めになりがちなので、パワーに対して飛距離をロスしているような気がします。
今のスイングのままで、トップでシャフトが水平になったあたりのフェースの向きが正面を向くのではなく、50度前後自然に傾くように、左手のグリップをストロング方向へ調整するのと、Y字型アドレスから少しハンドファースト型のアドレスに修正すれば、さらに飛距離が伸び、スコアもアップすると思います。
前田幸長(まえだ・ゆきなが)
1970年8月26日、福岡生まれ。福岡第一高から1988年ドラフト1位でロッテに入団。2年目からは先発ローテの一角として活躍した。1996年にトレードで中日に移籍。主にリリーフとしてチームに貢献。2002年にFAで巨人へ移籍。2007年にメジャーに挑戦するもメジャー昇格はならず、2008年12月に引退。現在、現在、野球解説のほか、タレント、YouTuberとしても活動をしている。通算成績は、595試合、78勝110敗、9セーブ、奪三振1241、防御率4.17。
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