病床で戦いを続ける母への思いを胸に、ケニー・ペリー（米）が連覇に挑む。

　現地時間9日にイリノイ州シルビスのTPCディアランで開幕する米ツアー、ジョン・ディア・クラシックのディフェンディング・チャンピオンであるペリーは、血液のガンに侵されている母がいる。重篤な状態とあって、大西洋を越えて次週の全英オープンに参戦するのは不安で仕方なかった。

　だが、大一番を前に、ペリーは担当医師と相談。「いつどうなるか分からないが、今は落ち着いている」と言われ、メジャー参戦を決断した。08年にはライダーカップのメンバー入りを優先させて全英オープンを欠場。その前週に開催された今大会に出場したことで批判も浴びたが、見事に勝って黙らせた。今季は2週間前にトラベラーズ選手権で優勝し絶好調とあって、連覇の可能性は十分。勝ち星を手に入れて堂々とメジャーの舞台に臨み、マスターズでプレーオフ負けの雪辱を晴らして、母を勇気付けたいところだ。

　また、全米オープン優勝という大金星の後も試合に出続けているルーカス・グローバー（米）や、同大会で復活への足がかりをつかんだかつての世界ランクNo.1であるデビッド・デュバル（米）が参戦。実力をめきめきつけているザック・ジョンソン（米）、ベテランのデービス・ラブIII（米）、デビッド・トムズ（米）、ニュージーランドの新星ダニー・リーらも揃い、メジャーを前にそれぞれの思惑を抱えて激突する。尚、今田竜二ら日本勢は出場しない。