メジャーの舞台で矢野東が大健闘。リーダーボードの上位を賑わす快進撃を演じている。

　ニューヨーク州ベスページ・ステート・パークのブラックCを舞台に行われている今季メジャー第2戦、第109回 全米オープンは現地時間19日、荒天で順延となった第1ラウンドの続きと第2ラウンドを行った。だが日没が迫る午後8時24分、2日連続のサスペンデッドが決定。その時点でもっとも多くホール数を消化している選手が15ホールまでで、約半数の選手が第2ラウンドをスタートすることすら出来ずに順延となった。

　そんな中、第1ラウンドを2オーバー72の39位タイで終えていた矢野が、第2ラウンドに入って猛烈なチャージを見せる。1番からスタートすると切れ味の鋭いショットで次々とバーディチャンスを作り、5、6番で連続バーディ。8番パー3でもバーディを奪って前半だけで3アンダー32。後半に入っても勢いは衰えず、12番でこの日4つ目のバーディを奪ったところでサスペンデッドに。通算2アンダーは現時点で暫定トップのルーカス・グローバー（米／13ホール終了）に4打差の暫定6位タイと絶好のポジションを確保した。

　実は矢野、第1ラウンドから手応えは十分だったようで「（初日の）後半はホールを重ねるごとに、どんどんショットが良くなっていた」と打ち明ける。パットが惜しいところで入らずオーバーパーに甘んじたが、「もしパットが決まっていればアンダーパーが出せていた」と自信をのぞかせていた。そして迎えた第2ラウンドは好調なショットが増々冴え渡り、パッティングのタッチが合って勝負どころでスコアを伸ばした。

　08年の国内ツアー賞金ランク2位の資格で出場している今大会。もともと海外志向が強く、昨年末も賞金王争いをしていなかったら「絶対にアメリカのQスクール（プロテスト）を受けていた」と言うように、近い将来アメリカで戦うことを視野に入れている。昨季10試合連続トップ10フィニッシュの記録を作ったことでも分かるが、一旦波に乗り始めると止まらないタイプ。今週も行けるところまで行って欲しいものだ。

　上位はグローバーに1打差の暫定2位にリッキー・バーンズ（米／9ホール終了）が続き、通算4アンダー暫定3位タイにピーター・ハンソン（スウェーデン／11ホール終了）、トッド・ハミルトン（米／10ホール終了）、さらに第1ラウンド首位のマイク・ウィアー（カナダ／9ホール終了）の3人がつけている。

　乳がんと戦う妻エイミーさんのためにメジャー勝利をプレゼントしたいフィル・ミケルソン（米／11ホール終了）は通算1アンダー暫定11位タイ。まだ第2ラウンドをスタートしていないディフェンディング・チャンピオンのタイガー・ウッズ（米）は、4オーバーで暫定65位タイに低迷している。