その瞬間、Y・E・ヤン（韓）が拳を天に突き上げた。うれしい米ツアー初優勝だ。

　同ツアーのフロリダシリーズ初戦、ザ・ホンダ・クラシック最終ラウンド（現地時間8日、フロリダ州パームビーチガーデンズ、PGAナショナルGCチャンピオンC）を1打差単独首位で迎えたヤン。3番から3連続バーディを奪い、逃げ切り態勢に入った。終盤15番、17番でボギーを叩き苦しい展開だったが、それでも最終ホールでは約15メートルのバーディパットを約30センチに寄せてパーセーブ。2アンダー68の通算9アンダーでフィニッシュし、単独2位のジョン・ロリンズ（米）を1打差でかろうじて振り切った。

　06年に開催された欧州、アジア両ツアー共催のHSBCチャンピオンズでタイガー・ウッズ（米）を撃破したことで知られるヤン。めきめきと力をつけ、米ツアーでは3年目で勝ち星を手に入れ、日本ツアーでもおなじみの笑顔で喜びに浸った。08年大会の最終日には1番最初の組でたった1人でラウンドし、1時間53分でプレーしたことで話題に。今回は念願の優勝を飾り、2年間の米ツアー出場権と、1か月後に迫ったマスターズの切符を手に入れた。

　また、ビッグネームはアイアンの冴えを見せながら、パットに苦しむ世界ランクNo.2のセルヒオ・ガルシア（スペイン）が通算2アンダー13位タイ。マスターズの出場権獲得へ必死の戦いが続くデービス・ラブIII（米）らと並び大会を終えた。昨季大会覇者のアーニー・エルス（南ア）は、最終ラウンドを4アンダー66でプレーし通算1アンダー22位タイ。

　尚、日本勢は唯一人出場した片山晋呉が予選ですでに姿を消している。