サバイバルレースが激しさを増してきた。

　現地時間29日からの米ツアー、フェデックスカップ・プレーオフシリーズ第2戦、ドイツ銀行選手権（マサチューセッツ州ノートン、TPCボストン）は、フェデックスカップポイントランク120位までの選手が出場する権利を持つ大会だ。

　前週のザ・バークレイズ優勝で同ランク首位に躍り出たビジェイ・シン（フィジー）を始めとする面々が目指すのは、同ランクトップ30のみが参戦できるプレーオフシリーズ最終戦、ザ・ツアー選手権。しかし、その前に次週のBMW選手権に残る必要があり、出られるのは同ランク70位までとなっている。それだけに、選手にとっては一戦一戦に背水の陣を強いられる。

　プレーオフシリーズに突入した時には同ランク9位だった今田竜二は、前週の予選落ちで一気に31位に転落したことでもわかるように、乱高下が激しいのがこのシリーズの面白さ。だが、プレーしている側にとっては、一時の油断も許されないとあって、誰もが厳しい表情を見せている。

　優勝争いの注目は、前週シンにプレーオフで敗れたセルヒオ・ガルシア（スペイン）。同ランクでは12位から2位に浮上したが、全米プロゴルフ選手権から2試合連続で2位タイと絶好調ながら勝利に手が届いていない。以前よりは忍耐強くなったとはいえ、そろそろ勝たないとフラストレーションが爆発しそうなだけに、その動向からは目が離せない。

　また、世界ランクNo.2のフィル・ミケルソン（米）は、最近良いところなしだが、ディフェンディング・チャンピオンの今大会には情熱を燃やしている。昨季大会はライバルのタイガー・ウッズ（米）との直接対決を制した。一皮むけた良いイメージを持つだけに、これを生かしてシーズン終盤を引っ張りたいところだ。