フィル・ミケルソン（米）が、ショートゲームをさらに磨いてメジャータイトルを獲りに行く。

　現地時間7日、ミシガン州ブルームフィールド・タウンシップのオークランドヒルズCCで今季最後のメジャー、第90回 全米プロゴルフ選手権が開幕する。本命は世界ランクNo.2のミケルソン。前週のWGC-ブリヂストン招待では残り4ホールで1打差単独首位に立ちながら大詰めで自滅し、ビジェイ・シン（フィジー）に勝ち星をさらわれている。

　だが、本人にとっては敗戦のショックよりも、V争いを演じた満足感の方が大きかった。「残念だったけど、優勝争いができたのはうれしい。全米プロに来る前に、タフなコースでプレーして、プレッシャーを感じる必要があったんだ。だから、先週のことはポジティブに受け止めている」。05年以来の大会2勝目を狙い、世界のレフティはあくまでも前向きだ。

　勝てなかった理由はショートゲーム。「悪くなかったけど最高でもなかった」と語り、開幕に向けて得意の技にさらに磨きをかけている。「今季は2勝しているので、まあ、OKという感じだけど、ここで勝てれば最高のものになる」と笑みを浮かべたミケルソン。ライバルのタイガー・ウッズ（米）が不在の中、モンスターと呼ばれるコースを相手に、持ち前の攻撃的なゴルフで挑む。

　前週優勝のシンは完全復活へ意欲満々で、全英連覇のパドレイ・ハリントン（アイルランド）も米国でメジャーVを、と意気込んでいる。さらに、ミケルソン、シンと優勝争いを繰り広げたリー・ウェストウッド（英）は全米オープン以来好調が続いており、メジャー初勝利にピタリと照準を絞った。

　また、今季2勝のアンソニー・キム（米）を始めとする若手の台頭が気になるが、その一方で、ベテランのパワーも侮れない。特に、ケニー・ペリー（米）は最終ラウンドの10日に48歳の誕生日を迎える中、今季だけで3勝と元気いっぱいだ。

　96年に地元ケンタッキー州のバルハラGCで行われた今大会でマーク・ブルックス（米）にプレーオフ負けを喫した悔しい思い出があるだけに、勝ちたい気持ちはひときわ強い。9月にそのバルハラGCを舞台にライダーカップが開催されるとあって、メンバーになるために全米オープン、全英オープンを棒に振った。しかし、大好きな今大会だけは別。初のメジャータイトル獲得に意欲を燃やしている。

　尚、日本勢は今田竜二、谷口徹、藤田寛之の3人が出場する。