激しい雨に見舞われた第109回 全米オープンは、1人もホールアウトすることが出来ず初日から順延が決定した。

　ニューヨーク州ベスページ・ステート・パークのブラックCを舞台に現地時間18日に開幕した今季メジャー第2戦、全米オープンは、荒天のため「プレー続行不可能な状態」に陥り、約半数の選手がスタートすら出来ずに第1ラウンドのサスペンデッドが決まった。厳しい条件の中で暫定ながらトップタイに立ったのはいずれもシードを持たない、ジェフ・ブレハート（米／11ホール終了）、ヨハン・エドフォース（スウェーデン／4ホール終了）、アンドリュー・パー（カナダ／3ホール終了）、ライアン・スピアーズ（米／3ホール終了）の4人でスコアは1アンダー。

　ディフェンディング・チャンピオンのタイガー・ウッズ（米）が、6ホールを終えて首位グループに2打差の1オーバー暫定12位タイ。同じ1オーバーには今田竜二（9ホール終了）、ビジェイ・シン（フィジー／8ホール終了）、ヘンリック・ステンソン（スウェーデン／6ホール終了）、ジム・フューリック（米／5ホール終了）らがつけている。

　ここのところコース周辺は雨が多かったが、初日は1組目がスタートする時間を見計らったように雨が降り始め、次第に激しさを増していった。「練習場で球を打っているときは大丈夫だったけれど、スタートした途端降り始めて、ほら来たと苦笑いするしかなかった」と言うのは暫定トップタイに立ったブレハート。大勢のコース整備員とボランティアが待機し、水の浮いたグリーンをモップで拭き取る作業を行ったが、フェアウェイに川が出現し、バンカーが池と化す状況に午前10時15分に一時中断。その後、再開の時期が検討されたが、雨が止む気配がなくそのまま試合は順延となった。

「待機している間にファンにサインをしたんだが、大勢の人に囲まれていたらまるで優勝したみたいな気分になった。それが今日の一番のハイライト」とブレハートはおどけたが、事態は深刻。というのも週末の予報は傘マークのオンパレードで、1日に何ホールも消化しなければならない長丁場が続きそうだから。雨のため競技委員が4つのホールでティを前に出す処置を行ったが、それでも厳しいセッティングであることは変わりなく、難コースの他に天候の厳しさが相まって、今年の全米オープンは前途多難が予想される。

　ちなみに、乳がんに苦しむ妻のために悲願の全米オープン初優勝を狙うフィル・ミケルソン（米）は、午後スタートだったためこの日はプレー出来ず。ミケルソンの出陣は19日の正午を過ぎてからとなりそうだ。