コース上空のヘリコプターから5人のパラシュート部隊が、1番のフェアウェイ付近に降下。隊員から手渡されたゴルフボールがティーアップされて、米ツアーのAT＆Tナショナル（現地時間3日開幕）のオープニングセレモニーが始まった。

　米国の首都、ワシントンDCを包み込むようなメリーランド州べセスダのコングレッショナルCCは、国の中枢にかかわる人々とゆかりの深いコース。同時に全米オープンを開催したことでもわかる難コースで、世界ランクNo.1のタイガー・ウッズ（米）がホストを務める大会にふさわしいコースとなっている。

　さらに、パラシュートの兵士達は日本、ドイツ、イギリス、イラク、アフガニスタン駐留で各地からボールを持って飛んできた。グリーンベレーだった亡父を持つタイガーがホストを務め、この場所で開催するトーナメントらしい演出だった。

　左ヒザ再手術から日が浅く、この場にいられないタイガーに代わって、92年マスターズ王者のフレッド・カプルス（米）が登場。ツアーコミッショナーのティム・フィンチェム氏、MLBの殿堂入り選手で鉄人と呼ばれたカル・リプケンJr.、そして軍関係の子供たちと共にボールを打って開会を高らかに宣言した。

　主役のタイガー不在を見事にフォローした派手な演出のオープニングセレモニー。メジャーの狭間で出場選手が今ひとつだが、メジャー開催コースでの勝利を夢見たプレーヤーたちが集結した。

　中でも気合十分なのは、最終予選のプレーオフを勝ち抜いて、全英オープン出場を決めたばかりのデービス・ラブIII（米）とリッチ・ビーム(米）。ともにメジャータイトルを獲ったことがあるだけに、今週勝って復活しようと意気込んでいる。また、ディフェンディング・チャンピオンの崔京周（韓）も連覇に照準を合わせている。

　一方、日本勢はツアー2勝目を狙う今田竜二と復調の兆しが見え始めた丸山茂樹の2人が参戦する。