ディフェンディング・チャンピオンのタイガー・ウッズ（米）が膝の故障で欠場する中、新たなスター誕生の予感が漂っている。

　米男子ツアーのワコビア選手権（ノースカロライナ州シャーロット、クエールハローC）は現地時間の3日、第3ラウンドの競技を行った。この日単独2位からスタートしたプロ2年目、22歳のアンソニー・キム（米）がノーボギーの6アンダー66でフィニッシュ。通算13アンダーとし、後続に4打差をつけ単独トップに躍り出た。

　通算9アンダー2位タイに前日のトーナメントリーダー、ジェイソン・ボーン（米）とヒース・スローカム（米）。通算8アンダー4位タイにスチュワート・シンク（米）、通算7アンダー6位タイにジム・フューリック（米）とジェフ・オギルビー（豪）の実力者がつけている。

　また、予選を66位タイと下位で通過したアダム・スコット（豪）が1イーグル、5バーディ、1ボギーの6アンダー66と爆発。通算5アンダーとし、フィル・ミケルソン（米）と並び、11位タイに急浮上。初日トップのデビッド・トムズ（米）は通算2アンダー22位タイにとどまっている。

「何と言えばいいのかわからないほど興奮している。明日は何が起こるかわからないけれど、勝つ準備だけは整えているつもり」と若きヒーロー候補、キムは満面の笑みを浮かべた。アマチュア時代、数々のタイトルを奪い、鳴り物入りで昨季ツアーデビューしたものの、優勝には手が届かなかった。

「でもそれが僕にとってはすごく良かったと思う。すぐに勝ってしまったら、きっと今みたいに練習に打ち込むこともなかっただろうし、集中してやり遂げよう、という気持ちにもなっていなかったと思うから。今はまだ日々、いろいろなことを勉強している最中」と謙虚に語るキム。果たして虎の子の4打差を守り切れるか注目だ。

　日本勢は3月以来、久しぶりに予選を突破した今田竜二が4バーディ、2ボギーの2アンダー70で回り、通算2アンダーで前日の53位タイから22位タイに順位を上げた。最終18番をボギーとしたのが悔やまれるが、最終ラウンドはさらに上位を目指したい。なお、丸山茂樹はすでに予選で姿を消している。