ゴルフの祭典、マスターズ行き切符の最後の1枚がかかった米ツアー、シェル・ヒューストン・オープン最終ラウンド（現地時間6日、テキサス州ハンブル、レッドストーンGCトーナメントC）。第1ラウンドから首位を突っ走る28歳のジョンソン・ワグナー（米）は、プレッシャーと必死で戦った。

　14番までに4バーディ、3ボギーで通算16アンダー。だが、実力者のジェフ・オギルビー（豪）が2打差で先にホールアウトしており、同じ組のチャド・キャンベル（米）も油断がならない。

　18番は左側が池でプレッシャーのかかる左ドッグレッグのパー4。重圧から一日中、汗びっしょりになり、タオルを手放せなかったワグナーはここで正念場を迎えた。池を嫌がり、ティーショットは右のバンカー。だが、ワグナーはあわてなかった。アゴを越えるぎりぎりのクラブ、6番アイアンで第2打をグリーン手前にキッチリと運ぶと、ここから1.8メートルに寄せる。最後は落ち着いてパーパットを沈め、ツアー初優勝でオーガスタ行きを決めた。

　今季はこれまで、9試合中予選落ちが6回と決して好調とは言えず、大会前の賞金ランキングは193位。だが今大会の第1ラウンド、ディフェンディング・チャンピオンのアダム・スコット（豪）と並ぶコースレコード「63」で飛び出した後は、終始安定したプレーで完全優勝をやってのけた。

　地元テキサスでつかんだ晴れ舞台への切符。「来週、オーガスタに行くなんて信じられません。長い間の夢が現実となりました。18番ではグリーンをとらえることと、いいパットをすることだけ考えていたんです」と、興奮気味に語ったワグナーが、最後の最後で夢舞台への参戦を決めた。

　通算13アンダー4位タイに92年マスターズ王者、フレッド・カプルス（米）とビリー・メイフェア（米）。マスターズ制覇への思いが強いフィル・ミケルソン（米）は通算6アンダー23位タイ。また、パドレイ・ハリントン（アイルランド）は通算5アンダー26位タイに終わっている。