「スピースはマスターズの時みたいに崩れるぞ!」心ないギャラリーから野次「いい起爆剤になった」
2016年5月21日(土)午前10:45
今週いよいよザ・メモリアル・トーナメントが開幕する。世界ランキング1位のジェイソン・デイや同2位ジョーダン・スピース、同3位のローリー・マキロイ、同4位のリッキー・ファウラーらビッグネームが出場。去年の2月1日以来、この4人を合わせて、世界中で24勝をマ?ク。およそ20日ごとに4人のうち誰かが優勝したことになる。デイやマキロイもそれぞれ優勝したばかりだが、先週はマスターズ以来調子を落としていた22歳のスピースが8勝目を決めた。
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これで23歳までに挙げたPGAツアーでの優勝回数で、タイガー・ウッズを上回ることになったが、それまでは多くの人に「スピースのキャリアは終わった」と言われていた。マスターズで2連覇に迫りながら最終日の12番で7を叩いて勝利を逃したスピースは「立ち直るのは簡単ではなかった」と心に強いダメージを受けていただけに、この勝利は大きな意味を持ったはずだ。しかし、ディーン&デルーカインビテーショナルで優勝するには大きな試練が待ち受けていた。
それは最終日、後半を迎えた10番ホールでの出来事。優勝争い真っ最中で集中力を高めているスピースに対して「マスターズのことを忘れるな!」と心ないギャラリーが叫んだのだ。その日は何度か同じような野次を耳にしたようで「ライアン・パーマー頑張れ!スピースはマスターズの時みたいに崩れるぞ」とひどい罵声も浴びたそうだ。しかし、それで崩れないのが実力者。「あのような罵声が耳に入ると面白いわけはありませんが、いい起爆剤になります」と10番から3連続バーディを奪い、上がりの3ホールでも連続してバーディパットを沈め、後続と3打差をつけて優勝を飾った。
「ゴルフの神様に味方してもらって私たちの底力を見せることが出来ました。周りからあれこれ言われながらも苦しい時期を乗り切ったことは、大きな自信に繋がります。苦労を重ねたからこそ喜びもひとしおです」と自信取り戻したスピース。まさに“禍を転じて福と為す"とはこのことだろう。今週の大会に続き、全米オープン、全英オープンなどこれからビッグトーナメントを控えている。今後の活躍にも注目したい。
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