2008年マスターズ覇者が分析! J.デイ、R.マキロイの飛ばしの秘密
2016年5月11日(水)午後4:00
ローリー・マキロイとの準決勝を1アップで制し、決勝では相手に付け入る隙を与えず優勝。WGC-デルマッチプレー2勝目を挙げたジェイソン・デイは、昨年11月以来の世界ランクNo.1の座に返り咲いた。その一方で、昨季覇者のマキロイは3位決定戦にも敗北。グランドスラムのかかるマスターズを前に、タイガー・ウッズ以来の大会連覇で勢いをつけられなかった。
「自信をつけるという意味では、とても良い2週間になった。だからと言って油断せず、これまでやってきた事を続ける必要がある」。間近に迫る大一番を前に、2週連続Vで自信をつけたデイ。ストロークス・ゲインド・パッティングでツアー4位につけ、小技の好調さも光るが、マッチプレー準決勝の16番で見せつけた、マキロイを21ヤードもアウトドライブするパワーも今回の勝利のカギを握っていたと言える。
上に挙げたデータは、同大会での350ヤード超えのドライバーショットを放った回数だ。ダスティン・ジョンソンが14回でトップで、2位のデイが12回。マキロイは9回で4位に入っている。デイとマキロイは、何故あれだけパワフルなトライバーショットが打てるのか。スタジオに登場した2008年マスターズ覇者、トレバー・イメルマンに彼らの飛ばしの秘密を探ってもらった。
トレバー・イメルマン
「2人とも飛距離と正確性を兼ね備えています。ともにクラブを力強く振れる構え方をしていますが、右のマキロイの方が両肘の間隔が狭いのは、左手をストロング、右手をウィークに握っているからです。左のデイはニュートラルな握り方です」
「テークバックから上体をねじ上げていきます。体重を右サイドに移動しながら、右足が壁の役目を果たしています。また、2人ともトップまで自然にコックしていきます。トップを見ると、マキロイよりもデイの方がリードする左手が曲がっている一方、マキロイの方が右足を伸ばし、右のでん部にかかるプレッシャーが大きくなっています」
「そして、ダウンスイングに飛ばしの秘密があります。体重を左サイドに移動し、左足で受け止めているのがお分かりでしょうか。インパクトにかけてベルトのバックルが上がり、コックのタメを一気にほどいて、スクエアなインパクトを迎え、エネルギーを効率よくボールに伝えています。クラブフェースの向きがしっかりコントロールされています」
「あとはクラブに引っ張られるように体がさらに回り、理想的なフィニッシュを迎えます。ドライバーショットに関して1、2を争う選手らしい、素晴らしいスイングです」
ちなみに現在、PGAツアーで300ヤード以上の平均飛距離を誇る選手は36人いるが、その中でストロークス・ゲインド・パッティングでツアーのトップ10に入っているのは、デイとリッキー・ファウラーの2人だけ。
「マキロイがグリーン上でパットの感覚を取り戻せば、グランドスラムの可能性も大いにある」とイメルマンは語るが、ゴルフライターのジョン・フェインスタインは、ジョーダン・スピース含め“新BIG3"の中でもデイがマスターズ制覇に最も近いと話している。果たして2週後、グリーンジャケットを羽織るのは誰になるのだろうか。
ゴルフセントラル 3月29日号より
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写真提供:Getty Images