WGC-デルマッチプレーのフォーマットをおさらい トリップの注目選手は?
2016年7月2日(土)午後0:30
今週開催のWGCシリーズは、世界ランク上位64名で争われるツアースケジュール唯一のマッチプレー大会「WGC-デルマッチプレー」。世界王者ジョーダン・スピースや大会連覇を狙うローリー・マキロイら強豪がテキサス州の州都、オースティンで熱戦を繰り広げる。
まずはその大会フォーマットについて紹介。昨年に続いて初日の水曜(現地)から金曜の3日間は、16のリーグに分かれてのグループリーグで総当たり戦が行われる。今年からエキストラホールは無く、18ホールを終えてタイの場合は両選手に0.5ポイントを付与。土曜からは勝ち抜き戦となるが、金曜までは64人全員がプレーするため、ファンとしてもテレビ的にも以前より見どころは多くなる。
そのグループリーグの組み合わせは、世界ランキング上位16人が各グループのトップシードとなり、その他3人については第17シードから第32シード、第33シードから第48シード、第49シードから第64シードという3つのグループから各1名がランダムに選出される。上に挙げたのは松山英樹を含むトップシードの面々だ。各シードの注目選手について米国Golf Channel解説のトリップ・アイゼンハワーの意見を聞いた。
トリップ・アイゼンハワー
「(上位16人の注目選手は?)好調なダニー・ウィレットです。特にWGCの大会と相性が良く、去年のマッチプレーでは3位でした。ティーからグリーンまでショットが安定しているうえ、パッティングも良く、ストロークス・ゲインド・パッティングでは20位以内です。またウィレットは2014年3月、世界ランクで123位でしたが、そこから着実に順位を上げ、現在は11位。大物を倒して金星を上げることも予想されます」
今年で12回目の出場となるフィル・ミケルソンは64人の中で第17シード。ベストフィニッシュは2004年の5位タイだ。第17シードから第32シードの選手リストは上の通り。
「(この中で最も好調なのはチャール・シュワーツェルでしょうが、ミケルソンとシュワーツェル以外で怖い存在は?)ポール・ケーシーです。キャリアで何度もケガや故障を経験したとはいえ、いまや体調は万全。過去2試合も結果を残し、安定感があります。また、ケーシーはマッチプレーに強く、今大会では20勝10敗、2009年、2010年と2年続けて決勝戦で敗れました。ボルボ・ワールド・マッチプレーでは6勝7敗1引き分け。ライダーカップのシングルスマッチでは1勝1敗1引き分け。彼がマッチプレーに強いのは、冷静さを失わないからです」
昨年ではゲーリー・ウッドランドが決勝まで生き残ったように、今大会では毎年下位シードの選手が勝ち進むことが多い。第33シードから第48シード、第49シードから第64シードによる番狂わせも大いにあり得るだろう。
「(エミリアーノ・グリーヨは今季開幕戦でルーキーながら初優勝。ビクトル・ドゥブイソンは2014年大会で準優勝していますが、誰に注目しますか?)マッチプレーに求められる冷静さと駆け引きの能力を兼ね備えたライアン・ムーアです。マッチプレーでカギを握るアイアンショットとパッティングに優れ、難しいコースでのプレーが得意です」
「プレッシャーの下でスイングテンポが変わらない点も良いですね。パットのときはボールに近すぎると思える位置で構えていますが、それがうまくいっているようです。マッチプレー方式の全米アマチュアで優勝したことも忘れてはいけません」
「16人全員が強豪で、ジェイソン・ダフナーやグラエム・マクドウェルは好調ですが、私が選ぶダークホースはパットン・キジーアです。キジーアは去年の秋、2016年シーズンの開幕シリーズで2位と4位を記録しました。ロングヒッターでパッティングに優れているので、多くのバーディを奪って大物を倒すことは十分考えられます。彼こそ、最後の16人の中で優勝候補の大穴です」
各マッチで番狂わせも十分ありえるだけに、誰が優勝してもシンデレラストーリーとは呼べないかも知れないが、果たして5日間の戦いを勝ち抜き、トロフィを掲げるのは誰になるのだろうか。
ゴルフセントラル 3月22日号より
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写真提供:Getty Images