死闘に敗れたR.ファウラー、記者会見で涙浮かべ「本当に辛い…」
2016年5月12日(木)午後0:41
「一番辛いのは…、初めて祖父や父の前で優勝を見せられたかもしれなかったのに…」
涙を浮かべて悔しさを口にしたのは、前週の米男子ツアー「ウェイストマネジメント フェニックスオープン」で松山英樹に敗れたリッキー・ファウラー。同大会最終ラウンド、特にその終盤からプレーオフにかけて松山と互いに譲らぬ死闘を繰り広げた世界No.4は、76ホール目となった17番の池を前に力尽きた。
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「優勝できると確信していた分、悔しいです。最初の三日間でもっとパットが入ってくれればよかったんですが、良いショットもたくさんありました。ショットの調子からして優勝は確実だと思っていました。17番は残念としか言いようがありません。イメージ通りのショットでした。あそこまで良く打てたのに、あんな結果になるなんて残念です」
最終日は3打差2位タイからスタートし、後半には松山に2打差をつけてトップに立ったファウラー。しかし、17番でまさかの池ポチャからボギーを叩いて追い付かれると、その後のプレーオフでも同じく17番での4ホール目で池に落とし敗戦。最愛の家族が見守る前で勝利をモノにすることは出来なかった。
「一番辛いのは、初めて祖父や父の前で優勝を見せられたかもしれなかったのに…。このあと一緒に過ごすので…、大丈夫です。調子が良かっただけに、優勝できなかったことが本当に辛いです」
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……ここまで感情が表に出る場面はあまり見られませんが、ファウラーが何のために戦ってきたのかを考えると、理解出来ますよね?
マット・アダムス
「もちろんです。私が気になったのは、ファウラーのスケジュールです。世界中を飛び回りながらの連戦から、疲労も敗因の一つだったと考えられます。もちろん、家族の前で優勝したいという強い気持ちもプレッシャーになったかもしれません。ですが、ますますこれからが楽しみになりましたよね」
……17番でドライバーを使ったとき、クラブ選択のミスだとは思いませんでしたか?
トリップ・アイゼンハワー
「そんなことは思いません。ドライバーで攻めるために必要なショットを完璧に打っていました。大会中、ずっとドライバーの調子は良かったんです。去年の大会も思い出してください。優勝したブルックス・ケプカは、ファウラーよりも飛ぶのでこのホールでは3番ウッドを使っていましたが、この2人の明暗を分けたのは“運"です。ケプカのボールもどんどん奥へと転がっていきましたが、池に落ちるぎりぎりで止まってくれました。最終的にこの年はケプカが勝ちましたよね」
ティム・ロサフォート
「ファウラーにとって良い経験になったと思います。コーチのブッチ・ハーモンによると間違えたのはクラブ選択ではなく、どれだけアドレナリンが出ていたかを把握し切れていなかったことで、去年のザ・プレーヤーズでも最終ホールでモンスターショットを放っていましたよね。2015年で最も記憶に残るドライバーショットでした。ハーモンもファウラーのキャディに何故ドライバーを使わせたのか聞いたらしいですが、プレーオフで出たようなショットを避けたかったからだそうです。これで高ぶる気持ちが及ぼす影響も学べたと思います。もとから体型の割に飛ぶ選手ですからね」
マット・アダムス
「さすがにあのボールのキックはアンラッキーでしたけどね。トリップが言っていたように、ボールの落下地点が少しでもずれていたら結果も大きく変わっていたでしょう。ですが、ファウラーはストロークス・ゲインド・ティートゥグリーンで抜群の数字を出しました。ついこの間までファウラーをビッグ4に入れるか否かについて議論していましたが、今では誰も異論はないでしょう」
惜しくも勝利を逃したとはいえ、ファウラーは去年の5月から世界中で4勝を挙げ、ジョーダン・スピース、ローリー・マキロイ、ジェイソン・デイのビッグ3に迫る勢いを見せる。今季最大の目標であるメジャー制覇へ向け、波に乗る27歳はここでの悔しさを糧に出来るか。
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ゴルフセントラル 2月9日号より
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