スポンサーとして長い間米ツアーを支えてきたビュイックが、ついに完全撤退を発表した。

　タイガー・ウッズ（米）の優勝で盛り上がった同ツアーのビュイック・オープンが幕を下ろしてから2日後の現地時間4日、米国自動車産業の“ビッグ3”の一角であるGM（ゼネラルモーターズ）の一部門であるビュイックとツアーが声明を発表。GMは経営が破綻し、政府の支援で再生しようとしているという事情を考えると、撤退もやむを得ない状況だ。

　ツアーとビュイックは、50年以上に及ぶ良好な関係を築いており、一時は年間4つのトーナメントのスポンサーを務めていたこともあるほど。今年はビュイック・オープンの他、2月にビュイック招待を開催したものの、来季はどちらも中止に追い込まれる。ビュイックは同時にツアーの看板選手、タイガーも個人スポンサーとして9年間に渡ってサポートしてきたが、この契約も解消されるだけに、ゴルフ界のショックは大きい。

　GMの本拠地、ミシガン州のデトロイトエリアで行われていたビュイック・オープンの消失は、地元にとってもさらなる打撃。同時に、リーマンショック以降の不況が、いよいよツアーに本格的に襲いかかったことを痛感せずにはいられなくなってきた。ツアーは同州での大会開催を熱望しているが、来年に関してはバージニア州で新しいトーナメントが行われる見通しになっている。