ゴルフ界に“怪物”の誕生だ。15歳のアマチュア、リディア・コ（ニュージーランド）が米女子ツアーの歴史を塗り替えた。

　現地時間26日、カナダのザ・バンクーバーGCを舞台に行われた同ツアーのCNカナディアン女子オープン最終ラウンド。1打差の単独トップからスタートしたリディア・コは、並み居る強豪相手にプレッシャーを感じさせない伸び伸びとしたプレーで4連続を含む7バーディを量産。最終18番こそボギーを叩いたが、この日のベストスコアタイの5アンダー67をマークし、通算13アンダーとしてインビー・パーク（韓）に3打差をつけツアー初優勝を飾った。

　圧巻は18ホールを『26』パットに収めたパッティングの冴え。前日の最終18番で短い距離を外してボギーを叩き、リードが2打から1打に縮まったときには15歳の少女の心の震えが伝わってきたが、最終日は「それほど緊張はしませんでした。楽しもうという気持ちの方が強かった」と大物ぶりを発揮。「本当はトップ15くらいに入るのが目標だったけれど…　世界のベストと戦っての1番ですからとても光栄です」と喜びのコメントを残した。

　リディア・コの独走でプロたちは2位争いに甘んじることに。通算10アンダー単独2位のパークの他にも韓国勢が追撃したが及ばず、通算8アンダー3位タイにチェ・ナヨン（韓）、シェラ・チョイ（韓）、申智愛（韓）の3人。リディア・コとともに最終日最終組を回ったステイシー・ルイス（米）はスコアを伸ばせず、通算7アンダーでアンナ・ノルドクビスト（スウェーデン）と並び6位タイに終わっている。

　これまでのツアー最年少優勝記録は、昨年のナビスターLPGAクラシックを16歳7か月8日で制したレクシー・トンプソン（米）が保持していたが、1年も経たないうちに15歳4か月2日のリディア・コが記録を塗り替えた。

　アマチュアがLPGAツアーで優勝を飾ったのは、1969年のジョアン・カーナー（米）以来43年ぶり史上5人目の快挙。リディア・コは今季、すでに豪州女子ツアーのニューサウスウェールズ・オープンでプロツアー世界最年少V記録（14歳9か月5日）を更新しており、2週間前の全米女子アマチュアゴルフ選手権でも優勝している。

　また今大会がリディア・コにとって米ツアー今季参戦3試合目。開幕戦のISPSハンダ・オーストラリアン女子オープンで19位タイ、全米女子オープンでは39位タイに入りローアマのタイトルを獲得しており、予選落ちはない。

　一方、2週連続Vを狙った宮里美香は3バーディ、1ボギーの2アンダー70をマークし、通算3アンダーで前日の21位タイから15位タイへ順位を上げ4日間の競技を終了。尚、宮里藍、上田桃子、金子絢香は決勝ラウンド進出を逃している。