チェ・ナヨン（韓）が14年前に母国の先輩・朴セリ（韓）が達成した快挙（優勝）を踏襲すべく、後続に6打差をつけ独走態勢に入った。

　今季メジャー第3戦、第67回全米女子オープン（ウィスコンシン州、ブラックウルフ・ラン チャンピオンシップC）は現地時間7日、第3ラウンドの競技を終了。難コースに風が吹き難コンディションに拍車がかかった大会3日目、各選手ともスコアメイクに苦しんだが、ただひとり別のコースを回っているかのような素晴らしいゴルフを披露したのがチェだった。

　出だしの1番、2番で連続バーディを奪うと前半は面白いようにパットが決まり4アンダー32で折り返す。バックナインに入ると切れ味鋭いショットが炸裂し10番から3連続バーディの快進撃。13番で唯一のボギーを叩いたものの、17番パー3で8つ目のバーディを奪って通算8アンダーでホールアウト。終わってみれば7アンダー65とコースレコードを塗り替える完璧なゴルフで、単独2位につけるエイミー・ヤン（韓）に6ストロークの大差をつけメジャー初Vに王手をかけた。

「今日はバッグの中の14本がすべて機能してくれました。スイングのフィーリングが良いのは今週コーチがチェックしに来てくれたから。リーダーボードは見ないように自分のプレーに集中しました」と穏やかな笑顔で好調なラウンドを振り返ったチェ。後続との差があるからこそ「勝たなければならない」というプレッシャーがあり最終日は難しい戦いを強いられそうだが「14年前（このコースで）、朴セリ先輩が優勝したシーンをはっきりと覚えています。あのとき見た感動を私が引き継げたら…」と逃げ切りVに意欲を見せた。

　その他上位陣は、通算1アンダー3位タイに宮里美香、アレクシス・トンプソン（米）、サンドラ・ガル（独）の3人がつけ、通算イーブンパー単独6位にビッキー・ハースト（米）。この日単独トップからスタートしたスーザン・ピーターセン（ノルウェー）はスコアを6つ落とし通算1オーバーでクリスティー・カー（米）、ポーラ・クリーマー（米）らと並ぶ7位タイに後退。前日2位タイのミッシェル・ウィー（米）も6オーバー78を叩き通算2オーバー13位タイまで順位を下げ、キャリアグランドスラムを目指したヤニ・ツェン（台）は通算8オーバー38位タイに低迷している。

　美香以外の日本勢は宮里藍がスコアを3つ落としたものの通算3オーバー15位タイに踏みとどまり、横峯さくらが通算4オーバー20位タイ。尚、上田桃子、野村敏京、綾田紘子、中山三奈、馬場ゆかりは予選で姿を消している。