宮里藍が大会3日目のベストスコアを叩き出し、前日の47位タイから一気に優勝戦線へ浮上した。

　米女子ツアーのLPGAステート・ファーム・クラシック（イリノイ州スプリングフィールド、パンサー・クリークCC）は現地時間6日、第3ラウンドの競技を行った。初日の90位タイから日本勢でただひとり予選突破を果たしていた宮里は、2番から怒とうの5連続バーディを奪取して6アンダー30でハーフターン。11番、12番でも連続バーディを奪って通算11アンダーまでスコアを伸ばした。最終18番で惜しくもボギーを叩いたが、それでも7アンダー65でこの日のベストスコアをマーク。首位タイのクリスティー・マクファーソン（米）、クリスティー・カー（米）の2人に2打差の通算10アンダー4位タイにつけた。

　午後になって強風が吹き荒れたが、宮里は比較的風が穏やかだった早い組でのスタートだったため、前日の上位選手に比べてコンディションが易しかったことがプラスに作用した。「13番以降はすごく風が強かったです。15番のセカンドショットは昨日5番アイアンで打ったのが、今日は3番ウッド。それだけ差があったので、早い組で回れたのはラッキーでした」と宮里。序盤の5連続バーディは6番だけが2メートル弱だったが、あとはいずれも約5メートルから約6.5メートルのパットを決めてのバーディ。「シンプルにフェアウェイをキープして、グリーンに乗せてパットを沈めることを考えていました。良い集中力だった」と、この日のラウンドを振り返った。

　ラウンド後の記者会見では石川遼に関する質問も飛び出し、日本のゴルフ界に対する関心の高さを伺わせた。ツアー4年目での勝利に関しては「どうしても優勝争いになると自分で自分にプレッシャーをかけ過ぎてしまう」と反省。最終日は持ち前の「笑顔」で楽しむことを課題に挙げた。

　今季は上田桃子など総勢4人の日本勢がアメリカを主戦場に戦っており「皆から良い刺激を受けている。誰が最初に勝つかではなく、皆が目標に向かって良い方に進めれば良い」と語った宮里。ツアー4年目にして悲願の勝ち星に手が届くかどうかは、本人がどれくらいこの状況を楽しめるかにかかっている。

　その他上位は首位タイに1打差の単独3位で申智愛（韓）が続いている。前日トップタイの朴セリ（韓）とスーザン・ピーターセン（ノルウェー）はスコアを伸ばせず、通算10アンダーで宮里と同じ4位タイ。ミッシェル・ウィー（米）は5オーバー77を叩き、通算1アンダー62位タイに後退した。