アニカ・ソレンスタム（スウェーデン）の米女子ツアー最後の試合は予選落ちに終わった。

　フロリダ州ウェストパームビーチのトランプ・インターナショナルGCを舞台に、現地時間21日に行われた同ツアーの今季最終戦ADT選手権。第2ラウンドを終えて上位16名（31名中）しか第3ラウンドに進めないサバイバルレース。しかしアニカは最初の関門をクリアすることが出来なかった。

　36ホールをトップで通過したのは前日首位のキャサリン・ハル（豪）で通算5アンダー。続く2位にはこの日5アンダー67と爆発した前週の優勝者アンジェラ・スタンフォード（米）。通算2アンダー3位タイにポーラ・クリーマー（米）、クリスティーナ・キム（米）、キム・インキョン（韓）の3人。通算3オーバー単独16位のカリー・ウェブ（豪）までが第3ラウンド進出を決めたが、第3ラウンドで再び半分の8名が脱落。最終ラウンドはすべてのスコアがリセットされた状態からスタートし、勝者には女子ツアーで最高額の100万ドル（約9,600万円）が与えられる。

　ところでツアー303試合目にして現役引退を表明しているアニカは、この日も3オーバー75とスコアを落とし、通算5オーバーでトップ16入りならず。2日間で姿を消した。世界ランク1位のロレーナ・オチョア（メキシコ）もふるわず通算5オーバー。ルーキー・オブ・ザ・イヤー（新人賞）に輝いたヤニ・ツェン（台）は通算7オーバーでそれぞれ予選落ちを喫している。

「素晴らしいキャリアをまっとうできたと思います。今週は色々な感情がないまぜになって、とても複雑な心境でした。でも応援して下さったギャラリーの皆さんのお陰で、素晴らしい1週間になりました。あと2ラウンドプレーしたかったというのが本心ですが、ここまで来られて本当にラッキーでした」と感慨深げに語ったアニカ。通算72勝、メジャー勝利数『10』。出場303試合中、207試合でトップ10入りを果たすという前人未到の記録を打ち立てたアニカは、その記録だけでなく「彼女のお陰で女子全体のレベルが上がった」と、多くの選手たちに多大な影響を与えて来た。

「まだあと2試合（シンガポールとドバイ）あるので、明日からもツアープロとしての生活に変わりありません。でもこれで緊張感溢れる競技の場に立てなくなると思うと、とても寂しいです」。元女王は涙をこらえ、笑顔で観客に手を振った。