今大会が米女子ツアーのラストゲームになるアニカ・ソレンスタム（スウェーデン）とディフェンディング・チャンピオンのロレーナ・オチョア（メキシコ）が出遅れる中、今季ブレイクしたキャサリン・ハル（豪）が単独トップに躍り出た。

　フロリダ州ウェストパームビーチのトランプ・インターナショナルGCを舞台に、現地時間20日開幕した同ツアーの今季最終戦ADT選手権。第1ラウンドは、出だし直後の2番でチップインバーディを奪って波に乗ったハルが、6バーディ、2ボギーの4アンダー68をマークしてトーナメントをリードした。1打差の2位タイには申智愛（韓）、キム・インキョン（韓）、2打差の4位タイにナ・エン・チョイ（韓）、オー・ジヨン（韓）、池恩熹（韓）の韓国勢がズラリと並んでいる。

　その他、ポーラ・クリーマー（米）が1アンダー71の7位タイにつけ、前週優勝のアンジェラ・スタンフォード（米）は1オーバー73で回り17位タイ発進。今季限りでの現役引退を表明しているアニカは2オーバー74とふるわず23位タイからのスタート。連覇を狙うオチョアも3オーバー75で、出場31人中26位タイにとどまっている。

　首位に立ったハルは今季CNカナディアン女子オープンに優勝してから一気にブレイク。度々優勝争いに顔を出しているが、今週に関しては「全く期待しないでティーグランドに上がった」のだとか。「ただ自分のゴルフをして、楽しみたいと思っていた」と無欲の好プレーを強調。しかしこの大会は2日目を終えたスコア順で半数の16人が脱落。3日目に再び予選カットが行われ、最終日に残れるのは8名だけ。サバイバルレースに勝ち抜いた8人が最後は一発勝負のストロークプレーを行い、勝者が賞金100万ドル（約9,400万円）を獲得できる変則フォーマットだけに、初日の順位はあまり意味がない。そのためハルも「明日以降も楽しみながらいいプレーがしたい」と、まずは最初の難関ベスト16入りに照準を合わせている。

　一方、ビッグネームは苦労した。「今日は何もかもが上手く行かなかった」と言うアニカは、高速グリーンに手こずりイライラが募った。「最後だから、もちろん目標は優勝です。そのためには明日からパットを決めなくては」と、有終の美を飾るべく修正を誓っていた。